男性に多い便秘の原因とその対策|不規則な生活習慣とストレスに注意

男性に多い便秘の原因とその対策は?

ここでは男性に多くみられるタイプの便秘について、原因とその対策をご紹介します。
ネットの便秘記事は女性向きのものが多くてあまり参考にならない、という方も是非参考にしてみてください。

 

キーワードは4つ。
『ストレス』『食事』『アルコール』『我慢』です。

 

原因その@:ストレス


まずは『ストレス』というキーワードについてみていきましょう。

 

2014年にニューヨーク州立大学バッファロー校のZhen Yan博士らが発表した論文で、男性が女性よりも慢性ストレス耐性が劣ることを示唆する研究結果が明らかにされました。
この研究では、女性ホルモンであるエストロゲンが慢性的ストレスによる悪影響をブロックする働きを持っていることを、マウスを使った実験によって明らかにしています。
このことは、エストロゲン分泌量の低い男性は女性よりもストレスに弱い、ということを示唆しています。
(参照:『Estrogen protects against the detrimental effects of repeated stress on glutamatergic transmission and cognition』)

 

実はストレスは便秘の大敵です。
ストレスがかかっている状態では交感神経が優位となるのですが、この交感神経優位な状態では腸をはじめとした内臓の動きが抑制されてしまうのです。
腸の動きが悪くなれば便の動きも悪くなり、結果便秘に繋がってしまいます。

 

ストレス社会と言われる現代日本に暮らす人なら誰でもストレスと無縁ではいられません。
しかし、より強く影響を受けやすい男性の便秘原因としては、必然的にストレス原因の割合が増えてくるのです。

 

気分転換やリラックスを

ストレスから便秘になるタイプの人は、ゆっくりと湯船に浸かったり寝る前にストレッチをしたりなど、リラックスタイムを習慣として取ることをおすすめします。
また、意識して気分転換を行うなどのまめなストレスケアを心がけるとよいでしょう。
腸のマッサージやツボ押しなどは、リラックス効果と同時に便通の改善を図れるのでおすすめです。

 

ただし、お酒を飲むことや食べることが趣味だ、という方は要注意です。
後述しますが、不規則な食事や暴飲暴食もまた便秘の大敵です。
止めろとまでは言いませんが、便通改善を思うなら、ほどほどを心がけましょう。

 

原因そのA:食事


続いて『食事』というキーワードについてみていきましょう。
近年、メタボ対策などの知識の高まりから、食への関心は高くなってきてはいますが、それでもまだ女性に比べ男性は食生活への関心が低いというのが現状です。
女性の場合、ダイエットや美容の目的意識からバランスの良い食事を心がける人も多いのですが、男性の場合は比較的「安くお腹が満たせること」「手早く食事を済ませること」に意識が向きがちで、食事内容も偏りがちです。

 

肉類や炭水化物に偏った、彩りが茶色の食卓は、腸内の悪玉菌の増殖に繋がりかねません。
腸内の善玉菌の良質な餌となる食物繊維が圧倒的に不足するためです。
善玉菌に代わり腸内で台頭した悪玉菌は、腸内環境をアルカリに傾け、腸の動きを鈍化させます。

 

不規則な食事もまた、便通に悪影響を及ぼします。
東邦大学医療センター大森病院の渡邉利泰医師によると、通常の蠕動運動の200倍の速さで便を押し出す腸の動き『大蠕動』を起こすために、食事と食事の間に8時間何も食べない時間をとる必要がある、ということです。
食事を摂る時間が不規則であったり、夜遅くに何かをつまんだりする生活を送っていると、『大蠕動』を起こすための条件を満たせず、便通が悪化してしまうのです。

 

寝る3時間前までには食事を済ませる

まずは、寝る3時間前には食事を済ませてしまうことを心がけてみましょう。
これによって就寝中に大蠕動が起き、朝に便意を催すというサイクルが形成されます。

 

日々の食事については、食卓の彩りを意識してみたり、発酵食品を積極的に摂ることを意識してみると良いでしょう。
彩りを意識することで野菜の食物繊維を、発酵食品を摂ることで善玉菌を補うことができます。
これらは腸内フローラの改善にはたらき、悪玉菌の活動を抑制します。
腸内環境の悪化は便通にとどまらない悪影響をもたらしますので、食事にはぜひ気を付けていただきたいところです。

 

原因そのB:アルコール


百薬の長とも言われるお酒ですが、飲み過ぎは便通にとって悪影響しかありません。

 

まず、アルコールの影響が残った状態で床につくと、睡眠の質が著しく低下します。
睡眠中は副交感神経優位な状態で、胃腸などの内臓が活発に動く時間帯です。
アルコールにより睡眠の質が低下することで胃腸の動きが鈍り、それが便通に悪影響をもたらすのです。
加えて、大量の水分を摂ることでお腹を冷やしてしまうことも、胃腸の活発な働きを妨げます。

 

また、お酒におつまみとして好まれるものは肉類や揚げ物などの塩分や油分の多いものが中心です。
これらの塩気が強く消化に悪いものを大量に摂れば、胃腸への負担過多になることは想像に難くないでしょう。

 

節度を守って楽しく飲む

私もお酒は大好きなので、「飲むな」とは決して言いたくないところです。
やはり重要なのは節度を守って飲むことでしょう。
ついつい飲みすぎてしまう、という人は、少し高級なお酒に挑戦して、ゆっくりと雰囲気を楽しむなど、いつもと少し楽しみ方の角度を変えてみるのもいいかもしれませんね。

 

また、おつまみとして食べるものに気を遣うことで、胃腸への負担を抑えることができます。
前述の食事と同様、彩りのバランスを少し意識してみましょう。

 

原因そのC:便意の我慢


これは男性に限った話ではないのですが、電車通勤の方には、乗車中に朝の便意が来ても我慢をしてしまうことが多い傾向にあります。
また、仕事中にトイレに行きたくなったりおならをしたくなったりしても、その場は我慢してやり過ごしてしまうという方も多いのではないでしょうか。

 

こういった生理現象の我慢を繰り返すと、やがて腸に便が溜まっても便意そのものを感じなくなってしまいます。
排便の機会を逃して長く腸にとどまった便は、水分を吸収されカチカチになり、排便を妨げる栓として機能するようになってしまいます。

 

このようなタイプの便秘を『直腸性便秘』といいますが、我慢強く真面目であったり、責任感の強く周囲との和を尊重する、といったタイプの性格の方に特に多くみられます。

 

朝にトイレに行く余裕を持つ

一番の理想は、便意やおならは我慢せずにすぐトイレに行くことです。
しかし、仕事や学校などの環境上それが難しいという方も多いでしょう。

 

そういう方は、いつもより30分早く起床することを心がけ、朝に便意を感じたらトイレを済ませられるだけの余裕を持つよう心がけると良いでしょう。
食事の項でも少し述べましたが、意識的に朝に便意を感じられるように生活サイクルを持っていくことで、朝の排便が習慣として身につきます。
そうなってしまえば、日中に便意を我慢するシチュエーション自体が激減するでしょう。

 

男性の便秘に便秘薬(下剤)は効果あり?


男性に多いタイプの便秘とその対策についてご紹介してきました。
では、ここまで触れてこなかった便秘薬(下剤)について少し触れていきたいと思います。

 

コーラックに代表される市販の便秘薬は、効き目が強く即効性があるものが多く、症状に応じた薬を選べば今辛い便秘の解消にとても有効です。
しかし、このような便秘薬を利用しても便秘の原因が解消するわけではありません。
原因が解消しなければ、せっかく便秘薬で解消した便秘もまた数日後には元通りになってしまいます。
便秘薬は辛い時の一時的な利用にとどめ、上でご紹介した対策で便秘の原因そのものの解消を目指してみてください。

 

また、強力な効き目を持つ便秘薬の多くは、腸を刺激して無理やり動かす『刺激性便秘薬』と呼ばれるタイプのものです。
刺激性便秘薬は効き目が強い反面リスクも大きく、連用をすることで徐々に効き目が弱くなる耐性を引き起こしてしまったり、腹痛をはじめとする副作用の危険性があったりします。
また、心理的な依存をしてしまうケースが多くみられるのもこの刺激性便秘薬です。
このような面からも、便秘薬は常用をせず辛い時のみ使用するものと考えることをおすすめします。


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