女性に多い便秘の原因とその対策|女性ホルモンが腸の動きを妨げる

女性に便秘の原因とその対策は?

お通じに関して悩む女性は多く、2人に1人の方が便秘の悩みを持っているとも言われています。
平成25年に厚生労働省が行った国民生活基礎調査では、10代から50代までの年代で「便秘の自覚症状がある」と答えた女性は、同年代の男性と比べて3.7倍から4.8倍ほど多かったという調査報告が出されています。
(参照:平成25年 国民生活基礎調査の概況

 

では、なぜ便秘に悩む女性が多いのでしょうか?
女性に多く見られる便秘の原因と、その対策法についてご紹介していきます。

 

原因その@:女性ホルモン


生理前になるとお通じの調子が悪くなる、という悩みを持つ女性が多くいらっしゃいます。
これは、黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンが関係しています。

 

黄体ホルモンは排卵を境に分泌量が上昇するホルモンで、体温の上昇や子宮内膜を厚くするなど、妊娠の準備を整えるはたらきを持っています。
その一方で、黄体ホルモンは腸の働きを弱めるという作用があり、これが生理前のお通じの不調を招く原因となっているのです。

 

調子が悪くなりそうな時期に予防の手立てを

このタイプの便秘には周期がありますので、「そろそろお通じの調子が悪くなりそうだな」という頃に先立って対策をすることで、効果的に予防をすることができます。
具体的には、生理前に食物繊維や発酵食品などを積極的に摂れる食事に切り替える、ということがおすすめです。

 

特に意識して摂りたいのが、オクラやなめこのようなネバネバ食品や、ワカメや昆布といった海藻類です。
ネバネバ系の食品や海藻類は水溶性食物繊維を多く含んでおり、便の水分を保って柔らかくし、つるりと排出するのに役立ちます。
水溶性食物繊維は特に、意識をして摂らないと不足しがちな成分ですので、お通じの調子が悪くなりそうな時期には積極的に摂るようにしてみてください。

 

原因そのA:ダイエット


女性に多くみられる便通悪化の原因のひとつとして、ダイエットによるものが挙げられます。

 

体重や体脂肪を減らすために真っ先に思いつくのは、食事の量を減らすという手段だと思います。
実際、痩せるために摂取するカロリーを減らすことはとても理にかなっており、食事を見直すことはダイエットをする上で必要不可欠ともいえるでしょう。
ですが、単純に食事の量を減らすということは便の材料が減るということとイコールで、便通の悪化に繋がってしまいます。

 

便通が悪化すると、腸内に悪玉菌が増え、腸の動きを悪くしたり、腸内に留まる便を腐敗させて有害なガスを発生させるなどの悪さをします。
その結果、代謝が悪くなりかえって痩せにくい体質になってしまうという結果を招きます。
のみならず、体に栄養が行き渡りづらくなり、血色の悪化や肌荒れなどを引き起こしかねません。
せっかくの努力の結果がこれでは報われませんよね。

 

ダイエット時こそ食事のバランスに気を遣おう

ただ単に食事の量を減らすのではなく、便の材料となる食物繊維や、腸内環境を整える発酵食品をしっかりと摂り、カロリーの摂取と消費のバランスを考えたダイエットを心がけてみてください。
食物繊維が多い食べ物というと、野菜類がまず思いつくと思います。
しかし、意外に思われるかもしれませんが、日本人は元来穀物から多くの食物繊維を摂取してきているのです。
ダイエットではまず糖質を控える方が多く、お米をはじめとした穀物類は摂取量を第一に減らされがちです。
しかし、ごはんのような粒の状態の穀物は食物繊維を補えるだけでなく、よく噛んで食べることや、血糖値がゆるやかに上昇することから腹持ちがよく、とり過ぎにさえ気をつければダイエットの強い味方となるのです。
さらに、白米をもち麦や押し麦などを加えた雑穀米に置き換えることで、食物繊維摂取量の増加や腹持ちの良さをプラスすることができます。

 

原因そのB:便意の我慢


仕事中や外出先などで便意を感じた時に、すぐにトイレに行けず我慢をした、という経験がある方は多いのではないでしょうか。
また、学校や職場でトイレに行きたくなっても周囲の目を気にして我慢をしてしまったり、あるいは外出先でトイレを利用すること自体に抵抗がある、という方もいらっしゃると思います。

 

このような生理現象を我慢することを繰り返すうちに、やがて便意を感じづらくなってしまい、腸に便が溜まっていても全く便意を感じられないというような状態に陥ってしまうことがあります。
排出のタイミングを逃した便は腸内にとどまるうちに水分を失いカチカチになります。
こうなってしまうとより排便が困難となり、便秘につながってしまうのです。

 

毎朝のトイレを習慣づける

なるべくならば、便意やおならは我慢せずにすぐにトイレに行くことが一番です。
しかし、仕事の都合などでなかなかそうも言ってはいられないという方も多いでしょう。
いつでもトイレに行くのが難しいという方は、出勤や通学の前にトイレを済ましてしまうことを毎朝の習慣としてしまいましょう。

 

朝に便意が起きるようにするには、寝る3時間前までに食事を済ませてしまい、その後は朝まで食べ物を口にしないということが大事です。
口から入れた食物が胃や小腸で消化される時間はおよそ8時間され、胃や小腸が空になってはじめて大腸が活発に動き、便が肛門側へ大きく押し出される『大蠕動』と呼ばれる動きが起きるといわれています。
睡眠時にこの8時間の食間をつくることで意図的に大蠕動を起こし、起床時に便意を感じられるようリズムをつくってしまいましょう。
また、朝起き抜けにコップ一杯の水を一気飲みすることで、胃を通して大腸に刺激を与え、活発に動き出すきっかけをつくることができます。

 

せっかく便意があっても、朝にバタバタしてトイレに行く時間を作れなければ本末転倒です。
余裕を持ってトイレを済ませられるよう、少し早起きを心がけることも心がけてみてください。

 

原因そのC:運動不足


仕事がデスクワーク中心だという方に特に気を付けていただきたいのが、運動不足による便秘です。
便秘気味の時に、便座に座って必死にいきむ、ということを経験された方は多いと思います。
あの『いきむ』行為というのが、腹筋などの体幹筋を使って便を体外に押し出そうとしているのですが、この体幹筋が衰えると便の排出が難しくなります。

 

また、腸は外部から刺激を受けることで、ぜん動運動などの腸の動きが活発になります。
車に乗っている時や、マッサージチェアを使用している時にトイレに行きたくなったという経験がある方もいるのではないでしょうか。
これは、外からの振動で腸が活発に動き出したことによるものです。
デスクワークなどの一日じゅう同じ姿勢のまま過ごすことが多いという方は、腸が動き出すきっかけを得にくいため、便通の悪化を招いてしまうことが多いのです。

 

ウォーキングなどの軽い運動がおすすめ

運動と聞くととたんに面倒に感じるかたも居るかと思いますが、便通の改善にはハードな運動は必ずしも必要ありません。
おすすめなのがウォーキングです。
いきむのに必要な腹筋や腸腰筋などの体幹筋をバランス良く鍛えられる他、適度な上下運動によって腸が揺さぶられるため、腸の刺激にもなります。
軽いジョグなども良いでしょう。

 

適度な運動は他にも利点があります。
軽い運動はストレスの解消にも役立ちます。
このストレスが実は便秘の原因として大きいものの一つで、上手く解消を図らないと交感神経が優位な状態が続き、腸をはじめとした内臓の働きが落ちてしまうのです。
辛くない程度の運動はストレスを発散し睡眠の質を上げる効果もある(睡眠の便通に対する効果については後述します)ため、便通改善にとってはまさに一石三鳥の効果があるといえます。

 

原因そのD:睡眠不足


睡眠中は腸のゴールデンタイムとも呼べる時間帯で、起きている時の200倍、腸が活動しているとも言われています。
これは、就寝中は副交感神経が優位な状態となり、普段は体を動かすために骨格筋などに回っている血液が、内臓などへ優先的に流れてくるためです。
この、内臓が活発に働く睡眠の時間が短い、あるいは睡眠の質が悪いと、便を送り出す腸のはたらきが弱くなることにより便通が悪化します。

 

寝る前にリラックスの時間を作る

まずは十分な睡眠時間を確保することが大事です。
寝付きがあまり良くない人や、睡眠の質が良くないという人は、寝る前の習慣について少し見直してみましょう。
夜にゆっくり湯船に浸かったり、マッサージやストレッチの時間をつくるなど意識的にリラックスの時間を設けることで、副交感神経優位な状態をつくり、入眠や睡眠の質の向上を期待することができます。
また、寝る直前までスマホをいじるなどの習慣は睡眠の質を下げるので、控えたほうが良いでしょう。

 

便秘薬の利用について


ここからは、ここまであまり触れてこなかった便秘薬(下剤)の利用についての話をしていきます。

 

便秘薬は便秘解消の方法としてはとても強力なもので、便秘の症状にはよりますが今辛い便秘をすぐに解消する手段としては一番でしょう。
実際、お腹に便が溜まったままでは、せっかくの便秘改善の対策を行っても効果がなかったり無駄になってしまうことが多いため、何日も出ていないという方は是非便秘薬を利用して、一度お腹の中をリセットしてしまうことをおすすめします。

 

しかし、便秘薬は便秘の原因を解消するものではありません。
便通を改善する対策をしないまま便秘薬を利用しても、またすぐに便秘に逆戻りしてしまいます。
便秘症改善の対策は行いつつ、辛い時だけ便秘薬を利用する、といったあくまで一時的に利用するものとして考えてください。

 

非常に強力な便秘解消効果を持つ便秘薬は、強い効き目の分リスクがあるものも存在します。
例えば、刺激性便秘薬と呼ばれるタイプのものは、腸を刺激して無理やり動かし便を排出するというメカニズムの薬です。
このタイプの薬はとても強い便秘解消効果を持ちますが、効果が強すぎるため、腹痛や下痢を始めとした副作用の恐れがあります。
また、連続して使うことで腸が刺激に慣れてしまい、だんだんと効き目が弱くなってしまうことがあります。

 

一番怖いのが、便秘薬に依存してしまうことが多くみられる点です。
薬無しでは腸が動かず排便できないような状況に陥ると、前述の効き目がだんだん弱くなる『耐性』のリスクとあいまって、だんだん薬の量が増えていってしまいます。
中には通常の使用量の数十倍の便秘薬を常用していた、という方もいたようです。
便秘薬はとても便利なものですが、頼りすぎないということを念頭に置いて利用してください。


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