子供に多い便秘の原因とその対策|大人に比べて排便力が弱く便秘の多い時期

子供に多い便秘の原因とその対策は?

赤ちゃんや子供のうちは、便を外に出すために必要な体幹筋がまだ弱く、また便意を感じる神経も未発達なため、排便トラブルが多い時期です。
しかし、トラブルの原因が大人のそれとは必ずしも同じでないため、大人の感覚で便通に良い対策を行っても効果が出ないばかりか、逆に悪影響を及ぼしてしまうことさえあります。
では、子供が便秘になったときにはどうすればいいのでしょうか?
赤ちゃんや子供の時期に多く見られる便秘の原因と、その対策や心構えについてご紹介していきます。

 

乳児の便秘原因

原因その@:母乳不足や母乳成分の悪化

母乳育児をしている赤ちゃんに多く見られるのが、母乳の不足による便秘です。
育児用ミルクを哺乳瓶で与える場合、どのくらいの量を飲んだのかを把握しやすいのですが、乳首から直接母乳を飲ませる場合は、どのくらい飲んだのかの把握が難しくなります。

 

また、量としては足りていても、母乳の質が原因で便秘になってしまうケースもあります。
これは、お母さんの偏った食事などが原因となります。

 

お母さん自身の体調にも注意

育児で忙しく、なかなか自分の食事のことまで手が回らないというお母さん方は多いと思います。
しかし、お母さんご自身が体調を崩してしまうことは、母乳の質にとどまらず赤ちゃんにとってよくないことです。
赤ちゃんのためを思うのと同じくらい、ご自分の体調のことにも気を払ってあげてください。
また、母乳の分泌量は、実際に赤ちゃんが飲んだ量を把握しづらいだけでなく、出の良し悪しに関わる要因が多岐に渡るため、原因が特定しづらい面があります。
赤ちゃんの体重増加曲線が平均より極端に低い、お腹を空かせて頻繁に泣く、飲み足りなそうな様子を見せるなどの兆候がみられた場合は、産婦人科の先生に相談をしてみてください。

 

原因そのA:離乳食の水分不足

離乳食を始めたころから増えるのが、水分不足による便秘です。
育児用ミルクや母乳と比べると離乳食は水分が少ないため、にわかに便が硬くなって排出しづらくなってしまうことが原因です。

 

水分で便を柔らかく

便秘の兆候がみられた時は、意識して白湯や麦茶などの水分を与えて便を柔らかくしてください。
薄い砂糖水が飲ませやすいため、効率的に水分を補うことができます。
また、ミキプルーンなどのプルーンペーストをお湯で溶かしたものは、水分と同時に水溶性食物繊維を補えるため、便秘の解消にとっては一石二鳥となります。

 

幼児の便秘原因

原因その@:親のトイレプレッシャーによるストレス

育児や教育に熱心な家庭に多くみられるのが、子供がトイレトレーニングをプレッシャーに感じることによるストレスが原因の便秘です。
腸をはじめとした内臓はリラックス時に一番よく活動するのですが、ストレスを感じると腸の働きが弱くなり、それが便秘へとつながってしまうのです。
頻繁に「うんち出そう?」「トイレ行く?」と確認をしたり、出ないことを心配して何度も繰り返しトイレへ連れて行ったりといった行為は、度が過ぎれば子供にとってプレッシャーになってしまうこともあります。

 

余裕を持って接する

大人と比べて子供は排便頻度が少なく、また便秘の目安も「3日以上出ないこと」とされているので、定期的にうんちが出ていないからといって心配しすぎることはありません。
お父さんお母さんの焦りは子供に伝わってしまい、それがかえって便通に悪い影響を与えることも懸念されます。
お腹が痛いなどの症状が出てこない限りは、気持ちに余裕を持って接してください。

 

原因そのA:排便行為やトイレの場所そのものを怖がる

もともと子供は排便に使う筋肉や便意を感じる神経が未発達なため、便秘などの排便トラブルを起こすことは珍しくありません。
そのような排便トラブルで、硬くなったうんちを出す時に肛門を傷つけてしまうなどの痛い思いを一度でもすると、排便行為そのものを怖がるようになってしまうことがあります。
ただでさえ便意を感じづらい子供のうちは、トイレを我慢することはあまり苦になりません。
そうやって「怖いから」という理由でトイレを我慢していると、それが日常化し、やがて慢性の便秘へとつながってしまいます。

 

また、排便時の痛みや上記のプレッシャーなどをトイレという場所と結びつけてしまう事もよくあることです。
トイレという場所で嫌な思いをした経験から、やがてトイレという場所そのものを怖がるようになってしまうようになり、トイレに入ることや近づくことすらも嫌がる子供も少なくありません。

 

うんちやトイレを良い印象で置き換える

水分や水溶性食物繊維などを十分に摂らせ、適度な運動や規則正しい生活などを意識し、正常な排便ができる環境を整えてみてください。
痛くない・苦しくない排便が続くことで、「うんちをすると痛いから嫌だ」という記憶が「うんちをするとスッキリして気持ちがいい」という印象に置き換わり、徐々に恐怖感が薄れていきます。

 

トイレの場所そのものを怖がる場合は、かわいいポスターカレンダーを貼ったり、絵本やおもちゃを置いてみたりなど、トイレを子供にとって居心地が良いと思える場所にしてみるのも良いでしょう。
また、「怖くないよ」と言うだけでなく、子供の話をしっかり聞いて、何が怖いのかの理解を示してあげることも大切です。

 

原因そのB:食物繊維の摂り過ぎ

お通じに良いからといって食物繊維を子供に与えすぎると、かえってそれが便秘の原因となってしまうことがあります。
子供のうちは便を外に押し出すための筋力が弱いため、大人と同じような感覚で食物繊維を摂ると便が硬くなりすぎてしまい、排出が難しくなることがあるのです。
また、便秘の時は肛門近くに硬い便がとどまっていて、栓をしているような状態です。
そこへ便の材料となる食物繊維を多く摂ることで、腸にどんどん新たな便が溜まっていき、ますます苦しい状態に陥ってしまいます。

 

水溶性食物繊維を意識して摂る

食物繊維には二種類あり、便の材料となる不溶性食物繊維と便の水分を保ち柔らかくする水溶性食物繊維があります。
不溶性食物繊維を多く摂ると便が硬くなり、摂り過ぎれば排便が困難になってしまいます。
特に子供のうちは排便のための筋肉が弱く硬い便の排出が難しいため、大人よりも意識して水溶性食物繊維を摂る必要があります。

 

水溶性食物繊維を多く含む食べものは、海藻類や山芋・オクラなどのネバネバした食べものです。
また、ジャガイモやアボカドなども水溶性食物繊維の割合が高く、スムーズな便通に良い成分をバランス良く含んだ食材です。
これらの食材を日々の食事にとり入れてみてください。

 

就学児の便秘原因

原因その@:トイレの我慢

多くのお父さんお母さんもご経験があることだと思いますが、学校へ上がる頃になると「トイレに行くことが恥ずかしい」というような感覚が芽生え、学校でのトイレを我慢してしまうというケースがとてもよく見られます。
また、和式便所やウォシュレットがないなどの家とは違う学校のトイレの環境を嫌がって、トイレに行くことを避けがちになるというのもよく見られます。
このような理由で便意やおならを我慢することが日常的になると、徐々に便意を感じる感覚が狂ってしまい、やがて便が腸に溜まっていても便意を感じなくなってしまいます。
適切なタイミングで排出できず長く腸にとどまった便は、どんどん水分を失って硬くカチカチになってしまうので、排出すること自体困難になるという悪循環に陥ってしまうのです。

 

朝にトイレを済ませる習慣を

一番良いのは便意を我慢せずにすぐにトイレに行くことですが、実際のところなかなか難しいでしょう。
次善の策としては、毎朝の排便を習慣づけ、朝のうちにスッキリさせてしまうことが良いでしょう。
そのためには、前の日の夜寝る前の3時間前までには食事を済ませ、翌朝まで固形物を食べないという習慣をつけることが重要です。
胃や腸の食べものが空になると大腸が活発に動き、便通が促進されます。
また、便意があっても時間がなくて行けなければ本末転倒です。
余裕を持ってトイレに行けるよう、少し早めの起床を心がけさせてください。

 

原因そのA:ストレス

小中学生の多感な時期になって増えてくるのが、勉強や学校の人間関係などのストレスが原因となる便秘です。
人間はストレスを感じると、血液が骨格筋や脳へと優先的に流され、身体が外敵との戦いに備えるモードへと移行します。
反面、内臓へ流れる血液の量は減ってしまい、腸をはじめとした内臓の活動は弱まります。
ストレスを繰り返し感じることで、腸の働きが弱い状態が長く続いてしまい、そのことが便秘へとつながってしまうのです。

 

規則正しい生活を送れるよう気を遣う

親の立場からの一番の対策は、食事や睡眠などの面で規則正しい生活を送れるよう気を遣ってあげることです。
また、子供に何か打ち込めるものがあるならば、それが出来る環境を整えてあげることもよいでしょう。
特に受験の時期などは気持ち的に追い詰められがちですので、子供とコミュニケーションをとったり、身体を動かしたりなど気晴らしが出来るような環境を普段から整えておくことも大事になります。

 

子供の便秘対策の重要性について


便秘が起こることによる人間の体への影響は意外にも大きいものです。
というのも、腸は消化吸収だけでなく人間の気分や免疫をも司っている面があるためです。
便通の悪化によって腸の調子が悪くなると、ちょっとしたことで体調を崩しやすくなったり、気持ちが落ち込んだりといった影響が出てしまうこともあるのです。

 

多感な時期の子供にとって、ちょっとした体調や気分の落ち込みはその後の人格形成に大きく影響を及ぼします。
心身を健康に保ち健やかな成長を促すためにも、まずは子供が便秘知らずになるように腸活に意識を向けてみてはいかがでしょうか。

 

子供の便秘薬の使用について


前述のように、子供の便秘の原因は大人のそれとは必ずしも同じではありません。
そのため、親が普段使っている便秘薬を「よく効くから」といってそのまま子供に与えてしまっても思うような効果が出ないばかりかかえって悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

 

子供が重い便秘で苦しんでいる場合は、まず小児科などの医療機関にかかり専門家の判断をあおぐことが一番です。
市販の薬を試してみたいという場合は、体に負担の少ない酸化マグネシウム系の便秘薬がおすすめです。
一般的な便秘薬(下剤)と異なり腸に刺激が少なく、依存症のリスクも低いため、子供の便秘にも多く使用されるタイプのお薬です。
また、小さい子供にも使用できる浣腸などの外用薬もあります。
いずれの場合にも説明書きをよく読んで、対象年齢や用法用量を守って使用をしてください。

 

注意してもらいたいのが、便秘薬は便秘の原因を解決するものではないということです。
便秘薬で一時の便秘が解消したとしても、原因が解消しなければすぐにまた便秘になってしまうでしょう。
便秘薬はあくまで一時の辛い症状を治めるもので、前述の対策とセットで補助的に使用するもの、とお考えください。


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