赤ちゃんの便秘の原因とその対策|水分不足には要注意

赤ちゃんの便秘の原因とその対策

赤ちゃんのうんちが出ない。
今まで出ていたのに急に出なくなった。
心配ですよね。
これってもしかして便秘?と不安になるかもしれません。
赤ちゃんの便秘とその症状、そして対処法について紹介します。

 

 

赤ちゃんの便秘症状

そもそも、赤ちゃんは便秘になるのでしょうか?
実は、大人と同じで赤ちゃんも便秘になります。
ただ、赤ちゃんの便秘の定義はこれというものがないので、症状や過ごし方から判断します。

 

大人の便秘は、何日も出ない、残便感がある、いきんでも出にくい、お腹が痛い、などの症状が出ますよね。
赤ちゃんの便秘も同じ症状が現れます。
しかし、赤ちゃんは自分の体のことをまだ言葉で伝えられません。
保護者の方が赤ちゃんの便秘の症状に気が付くポイントは、便の調子と赤ちゃんの様子です。

 

赤ちゃんが便秘になっていると考えられるのはこのようなときです。

 

便の調子が良くない

便の硬さ、量、回数はもしかして便秘かもしれない、と気が付くきっかけになります。
見た目で分かりやすい症状ですね。

 

便が硬い、少ない

便が硬くて出にくい、とは便秘のよくある症状のうちのひとつです。
あまりに硬いと肛門の周りや中が切れて、おむつや便に血がつくことがあります。
肛門の中が切れることは裂肛とよばれ、いわゆる切れ痔です。

 

量が減って見えるのは、便が硬い、つまり便の水分量が少ないからです。
便の水分量が少ないと見た目がぎゅっと小さくなります。
また、硬くて出しにくいので、力の弱い赤ちゃんががんばってもちょっとしか出ないという理由もあります。

 

回数が減った

赤ちゃんの便の回数やペースは一定ではありませんが、出なくなったら心配ですよね。

 

何日便が出なかったら便秘と考えられるでしょうか。
目安としては、3日以上便が出なかったら便秘を疑うサインです。
しかし、3日はあくまで目安です。
赤ちゃんの便秘の場合、1日何回出ないから便秘、3日出ないから便秘、と定義が決まっているわけではありません。
なぜなら、発達途中の赤ちゃんはペースがひとりひとり大きく違うからです。
例えば3日に1回の排便でも、しっかり出ていていつもどおり過ごしているならそれがその子のペースなので心配しなくて良いでしょう。

 

いつもより回数が減ったと思ったら、まずは下記の赤ちゃんの具合と合わせて様子をよく見てください。

 

赤ちゃんの様子がいつもと違う

便の調子の他に、いつもと違う様子はありませんか?食欲や機嫌はどうでしょうか。

 

食欲がない、吐く

便秘でお腹が苦しいので食べなくなってしまいます。
母乳やミルクの場合は飲みたがりません。
また、せっかく口にしても苦しくて吐き戻してしまうことがあります。

 

機嫌が悪い、泣き続ける

大人でも便秘のときはお腹が重い感じや不快感がありますよね。
赤ちゃんも同じです。
言葉で言い表せない不快感を表情、機嫌の悪いさ、ぐずる、泣くことで表現します。

 

お腹が張っている

お腹の張り具合もチェックしてみてください。
お腹を軽く押すと、固く張っている感じがありませんか。
腸の中に便がたまっていると腸内細菌の働きでガスが発生します。
特に赤ちゃんの腸はまだ小さいので、少しの便とガスでもパンパンになってしまいます。
ガスのせいで嫌なにおいのおならが出ることもあります。

 

 

赤ちゃんの便秘の原因は?

赤ちゃんの便秘はなぜ起こるのでしょうか。
主な原因は食生活や体の発達にともなうものですが、まれに病気のせいで起こることもあります。

 

体と腸の発達による一時的なもの

赤ちゃんの成長は日々めまぐるしいものです。
体と腸がぐんぐん発達し、ミルクや食べ物からどんどん栄養素を吸収しようとします。
今まで消化しきれずに便と一緒に出てしまっていた栄養素がしっかり消化吸収されるので、便の量が減ることがあります。
便が外に出されるにはある程度の量がいるので、便の量が少ないと一時的に出なくなります。

 

また、腸が大きく成長することで便をためられる量が増えます。
たまっていても自力で出すペースがつかめるまではうまく出し切れません。

 

ミルクや母乳の過不足

低月齢の赤ちゃんの場合は、ミルクや母乳が十分飲めていないと便秘になることがあります。
飲めた量が少ない、つまり消化物が少ないので便がほとんど作られないからです。
逆に飲ませ過ぎても消化不良を起こして便秘や下痢になってしまいます。

 

とはいっても母乳をおっぱいから飲ませていると、どれぐらいの量を飲ませたのか分かりにくいですよね。
毎日の量がきっちり分からなくても、身長や体重が平均から大きくはずれていなければ問題ないでしょう。
母子手帳などに載っている発育曲線と照らし合わせてチェックしてみてください。

 

水分不足

大人の便でもその7〜8割は水分でできています。
赤ちゃんの場合はほとんど水分です。
水分が不足すると固く少ない便になって困るのは大人も赤ちゃんも一緒です。
体の水分が足りなくなると、大腸から一生懸命に水分を吸収しようとするので便の水分量が少なくなります。

 

食事の変化

ミルクから離乳食へ切り替えたときや、固形の食材を増やしたときに便秘になることがあります。
つまり、今まで水分がメインだった食事から固形物に変わったタイミングです。
1日トータルで見るとミルクだけのときより水分量が少なくなりがちです。
そのため便秘が起こることがあります。

 

病気が原因のことも

少ないながらも、病気が原因で便秘になることがあります。
便秘になった赤ちゃんにまれに見つかる腸の病気として、肛門付近が通らない鎖交、腸重積、腸閉塞、生まれつき腸の神経がないヒルシュスプルング病などがあります。
また、甲状腺機能の低下や重症筋無力症など腸に異常がないにもかかわらず便秘がちになる病気もあります。
定期健診はかかさず受けるようにし、調子が良くないときは医師を受診しましょう。

 

 

便秘になってしまったら−対処法

便秘になってしまったときにおうちでできる対処法を紹介します。

 

マッサージ、足を動かす

簡単にできるのがお腹のマッサージです。
赤ちゃんを仰向けにして、お腹に「の」の文字を描くようにやさしくマッサージします。
「の」の文字は便やガスが出るよううながす動きだからです。
このマッサージは大人にもおすすめです。

 

また、体、特に下半身を動かすことが腸へ刺激になります。
おもちゃで気を引いて手足を誘導すると良いでしょう。
ハイハイも赤ちゃんにとっては十分な運動になります。
低月齢の赤ちゃんの場合は、仰向けにして足をもちあげ、片足ずつ無理のない範囲で動かしましょう。
ゆらゆらさせたり、ゆっくり曲げ伸ばしするぐらいでかまいません。

 

肛門を刺激

肛門を刺激すると便意がうながされます。
綿棒や指を使って肛門の周りを刺激してみましょう。
やさしく押したり叩いたりして排便をうながします。

 

綿棒浣腸

綿棒を肛門の中に入れて刺激する方法もあります。
それが綿棒浣腸です。
まず、綿棒にベビーオイルやオリーブオイルを含ませてすべりやすくします。
そして、綿棒の先1〜2cmを肛門に入れて、前後に動かしたり小さい円を描くようにしてゆっくり刺激します。
綿棒を入れすぎると腸を傷つけるかもしれませんので、綿棒浣腸は慎重に行ってください。

 

 

便秘にならないために

便秘にできるだけならないために対策を紹介します。
便秘気味かもしれない、と思ったときにも試してみてください。

 

お尻のケア

おむつかぶれ、お尻や肛門付近が赤くなっている、などのお尻のトラブルが便秘につながることがあります。
痛みや不快感があると、赤ちゃんが気持ちよくうんちを出せなくて我慢してしまうからです。
おむつを替えるときに、お尻が赤くなっていないか、肛門がただれていないか、とチェックして清潔を心がけましょう。

 

こまめに水分補給

お風呂上りやたくさん体を動かした後は大人でも喉が渇きますよね。
そういったタイミングで白湯や麦茶を少しずつ飲ませてあげましょう。
水分補給といえばスポーツドリンクがありますが、砂糖が多く入っているのでこまめに飲ませるのはおすすめしません。

 

また、寝汗をたくさんかくと体の水分が不足しがちになります。
もしも寝汗が多いときは寝る前の服を見直してみましょう。
起きているときはちょうどいい服装でも、そのままの恰好で寝ると暑くて汗を多くかいてしまうことがあります。

 

ミルクは適切な濃さで

育児用の粉ミルクは商品に書いてある通りに薄めて飲ませましょう。
濃すぎたり薄すぎたりするとお腹の調子が悪くなる原因になります。

 

粉ミルクを変えてみる

育児用の粉ミルクはたくさん種類があってどれが良いのか迷うと思います。
しかし、これが便秘に良い、というものはなくて赤ちゃんの相性しだいです。
赤ちゃんにとって相性が良いものを試しながら探してみてください。
ちなみに、育児用の粉ミルクは日本の品質基準に基づき、母乳に近くなるよう研究して作られています。
また、便秘に良いとされるオリゴ糖も配合されています。

 

離乳食におすすめの食材

便秘がちかも、と思ったときに離乳食におすすめの食べ物があります。
それは、発酵食品と食物繊維を含む食材です。
離乳食に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

発酵食品

発酵食品には善玉菌の働きを助ける菌が入っています。
無糖のヨーグルトや納豆がおすすめです。
納豆はひきわりを選んでお湯をかければ細かくつぶす手間がかかりません。
なお、取り入れるのは離乳食中期以降にしたほうが良いでしょう。
牛乳や大豆アレルギーに十分注意して少しずつ食べさせてください。

 

食物繊維を含む食材

食物繊維を多く含む根菜類と果物を活用しましょう。
離乳食初期から食べられるのは、りんご、バナナ、にんじん、かぼちゃ、さつまいもです。
豆類、わかめ、ごぼう、きのこ類は消化しづらいので様子をみながら中期〜後期以降にしましょう。

 

寒天も食物繊維を多く含む食材です。
ゼリーにするとおやつにもなりますね。
ですが、赤ちゃんにとって寒天は気を付けたい食材です。
口の中や体温で溶けないので、もしも喉に詰まったとき危ないからです。
寒天ゼリーはしっかり飲み込める離乳食後期〜完了期からにした方が安心です。
作るときはゆるめの食感にして、小さく切ってあげてください。

 

注意してほしいのは、食物繊維の摂りすぎです。
食物繊維が豊富な食材だけを食べ過ぎても便秘になってしまいます。
主食やミルクと水分も一緒に摂りましょう。

 

 

薬の使用や病院について

ケアをしても便秘が良くならないときは、薬の力を借りてみましょう。
また、薬や対処法に頼るよりも病院へ受診すべき症状について取りあげます。

 

赤ちゃんの便秘の薬

赤ちゃんの便秘に対してよく使われる治療薬を紹介します。

 

マルツエキス

赤ちゃんの便秘薬といえば、まず一番に挙げられるのがこちらのマルツエキスです。
見た目は茶色く、ほんのり甘くとろりとした水あめのような薬です。

 

マルツエキスの主成分は麦芽糖という糖です。
麦芽糖は腸内細菌によって分解されてガスを生み、そのガスが腸を刺激して便通を起こします。
マルツエキスの排便効果は無理やり出すわけではなく自然に近いものになるので、赤ちゃんに昔から勧められています。
ただし、水分不足によって起こった便秘には効きません。

 

整腸剤

整腸剤は大人でもおなじみですね。
整腸剤は、腸内の善玉菌の働きを活性化させて便秘を改善する薬です。
赤ちゃんも服用できる市販の整腸剤は、新ビオフェルミンS細粒、新ミヤリサンアイジ整腸薬、宇津こども整腸薬TPがあります。
全て粉薬で3か月から飲ませることができます。

 

浣腸

浣腸は即効性があって赤ちゃんにも使うことができます。
ただし、保護者が自己判断で使う前にいくつか注意が必要です。
まず、市販薬を使う場合は、3か月未満の赤ちゃんはかならず主治医の診断を受けてからにしてください。
3か月以上でも1歳未満なら薬剤師や登録販売者などの専門家に相談してから使いましょう。
なぜかというと、便秘が別の病気のせいで起こっている場合は浣腸で悪化する恐れがあるためです。

 

赤ちゃんに使える便秘薬についての薬剤師解説記事はこちら

赤ちゃんの便秘の原因とその対策|水分不足には要注意

 

病院に行くときは

便秘が長引く、ぐったりしている、いつまでも泣き止まない、毎回吐いてしまう、何度も血がつく・・・などあきらかにいつもと様子が違うと思ったときが受診の目安です。
決して多くはありませんが、別の病気が隠れているかもしれません。
小児科医を受診しましょう。

 

 

まとめ

赤ちゃんの便秘は、本人よりも保護者の方が大きく悩む問題かもしれません。
まずは赤ちゃん本人の様子をしっかり見て対応しましょう。

 


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