便秘の原因は一体何?|性別・年齢別の便秘原因とその対策

便秘の原因は一体何?|性別・年齢別の便秘原因とその対策

性別年齢別便秘の原因

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どうして便秘になってしまうのか。
便秘になった心当たりがない方も多いのではないでしょうか。
便秘が起こる原因を知って便秘対策に役立てましょう。

 

 

下痢、吐き気、腹痛...便秘に伴う症状からみる便秘原因の解説記事はこちら

【薬剤師が解説】他の症状を伴う便秘の原因と対処法

 

 

便秘の原因になりやすい生活習慣

便秘原因『生活習慣』

日常起こる便秘の多くは腸に病気や問題が特にない「機能性便秘」と呼ばれる便秘です。
生活習慣やストレスが機能性便秘の主な原因ですが、原因が複数からんでいることがあります。
まずは便秘になりやすい生活習慣について詳しくとりあげます。

 

食物繊維が不足している

便秘になるのは食物繊維が足りないから、とはよくいわれていますね。
野菜や海藻を食べればいいとは分かっていても、毎日意識して摂るのはなかなか大変です。
また、食事が丼物や麺類だけなど偏った食事が続くとどうしても食物繊維が不足しがちになります。

 

食物繊維には便のかさを増やしたり腸を刺激したりする働きがあります。
また、食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。
食物繊維を摂るときは、不溶性食物繊維:水溶性食物繊維が1:2のバランスが良いとされています。

 

食事の量が少ない

食事の量も便秘に関係があります。
ダイエットなどで食べる量を減らすと、腸の中に溜まる便の量ももちろん減ります。
便の量が少ないと便意がなかなか来ません。
そして腸の中でとどまった便は水分を吸われ続けてカチカチに、ますます出しにくくなるという悪循環に陥ってしまいます。

 

また、ダイエット中ではないのに知らず知らずのうちに食事の量が減っていることもありますよ。
忙しくて食べる時間がない、トレーニング中でプロテインだけ、夕飯は晩酌もかねておつまみとお酒だけ、という例があります。

 

朝食を抜く

忙しい、食欲がないなどの理由で朝食を食べないことがありませんか。
朝食後は排便しようとする腸の動き、つまり排便反射が一日のうちで一番強く働く時間です。
しかし、朝食を抜いてしまうと排便反射が起こるきっかけを逃してしまいます。
次の排便反射が起きても溜まった便は固く出しづらいしんどいお通じになります。

 

水分が足りない

実は、便の7〜8割は水分でできています。
体の水分が足りなくなると、大腸からたくさん水分を吸収しようとします。すると、便の水分が吸われてしまって固くコチコチになってしまうのです。
また、お酒の飲みすぎも水分不足を引き起こします。アルコールには脱水作用があるからです。お酒を飲みすぎると便秘が悪化することがありますよ。

 

便意を我慢しがち

職場や学校ではトイレに行きたいときになかなか行きづらいですよね。
「出す」タイミングを逃すといつのまにか便意が消えていることがありませんか。
しかし、一度便意が消えても直腸まで下りてきた便が戻ることはありません。
便は直腸を圧迫し続け、便意につながる排便反射が起こりにくくなり便秘がますます悪化します。
これが直腸性便秘です。
便意を我慢しがち、というのは直腸性便秘の原因になります。

 

運動不足

体を動かすことは腸にとって良い刺激になります。
そして、運動はいきむための腹筋と体幹の筋肉を付けるうえでとても大切です。
運動不足の状態が続くと筋肉と腸の動きが両方鈍ってしまい便秘しやすくなります。
また、結婚、妊娠や出産、退職などがきっかけで運動量が減って便秘につながることもあります。

 

生活習慣の乱れは腸内環境が悪くなる

便秘の原因になりやすい生活習慣は、腸内環境の悪化も招きます。
お通じが順調な腸では善玉菌が活発に働いていますが、生活習慣の乱れが続くと悪玉菌が増えてきます。
善玉菌が減って悪玉菌が優位になってしまうと、悪玉菌が出すガスや有害物質によって腸の動きが乱れて便秘や下痢を引き起こします。

 

 

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便秘の原因には外的要因もある

便秘原因『外的要因』

便秘にはストレスや薬といった外部からの原因もあります。

 

体と心のストレス

ストレスにさらされて体が緊張している状況が続くと、自律神経のバランスが乱れます。
実は、腸の動きは自律神経の繊細なバランスの上で成り立っています。
ストレスが続くと腸は普段のように働けなくなったり、逆に腸も緊張しすぎてプルプル震えたりする症状が起こります。
いずれにせよ、便がいつもどおりに排泄されないので便秘がちになります。
日常のストレスだけでなく、旅行や転勤など周りの環境が変わることも原因になりえます。

 

また、ストレスは腹痛や腹部不快感をともなう緊張性便秘の原因のひとつです。
別名、過敏性腸症候群(IBS)の便秘型とも呼ばれます。

 

薬の副作用で便秘に

便秘は薬の副作用が原因だったということもあります。
便秘の副作用がある薬は、その確率がごくわずかなものを含めると実はとても多くあります。
新しい薬を飲み始めたら、もしくは薬が変わったら急に便秘になったときは薬が原因の可能性があります。

 

便秘の副作用が起きやすい薬は?

便秘が起こりやすい薬の例として、風邪薬、アレルギーの薬、精神や神経系の薬、がんの痛み止めの麻薬製剤があります。
また、咳止めや風邪薬によく配合されている成分のコデインまたはジヒドロコデインにも便秘の副作用があります。
他には、鉄剤やカルシウム剤でも便秘になったという報告があります。
サプリメントでも鉄やカルシウムが含まれているものがありますので、同じように便秘の原因になりえます。

 

下剤の乱用の結果・・・

下剤で便秘?と思われるかもしれません。
しかし、強力な下剤や浣腸を使い続けた結果、腸が自力で働かなくなって便秘になることがあります。

 

センナやセンノシドなどの刺激性下剤と呼ばれる強い下剤は腸のぜん動運動を一時的に強く働かせます。
しかし、刺激性下剤を使い続けると腸は薬の力で動くのに慣れてしまい本来の動きを失ってしまいます。
しかも、耐性がついて薬を増やしても効かなくなってきます。
そうなると自力では出せない上に薬も効かない便秘体質になってしまうことがあります。
また、浣腸の使い過ぎも良くありません。
浣腸に頼りすぎるとやはり本来の排便反射が起こりにくくなってしまい、薬なしでのお通じが起こりにくくなります。

 

 

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病気や腸の形が原因

便秘原因『疾病』

一方、腸の病気や問題が原因でなる便秘を「器質性便秘」と呼びます。
また、腸とは関係ない体の病気の症状のひとつで便秘が起こることもあります。

 

腸の病気

腸に何らかの病変があって便の通りが悪くなると便秘になります。
例えば、大腸がん、腸の炎症、腸閉塞、腸の神経障害、手術後の癒着、などが原因です。
この場合は便秘だけでなくひどい腹痛、血便、吐き気などの症状が一緒に現れることがあります。

 

腸の形や構造の問題

先天的に腸が長い、腸がねじれている、など腸の形が原因です。
便が腸を通り抜けるまでに時間がかかります。
腸にとどまる時間が長くなるとその分余計に水分を吸われてしまうので便が硬くなって出しづらくなります。

 

体の病気

糖尿病、パーキンソン病、甲状腺機能低下症など内科や神経系の病気が原因で便秘が起こることがあります。
これを症候性便秘と呼びます。
便秘は全身の症状のうちのひとつです。

 

 

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年齢やライフステージ、性別特有の原因

便秘原因『年齢性別』

幼少期や老年期は他の世代よりも便秘が起こりやすい原因がもう少しあります。
また、体のつくりが違う男性と女性では、同じような症状の便秘が起きていても性別によって原因が異なる場合があります。

 

幼年期特有の原因:子供は体が未発達

子供や赤ちゃんの体は発達の途中です。
ちょっとしたことで便秘や下痢になります。
食事の微妙な変化やトイレに行きたくない気持ちがあるだけでお腹の調子をくずしがちです。

赤ちゃん、子供の便秘原因とその対策についてはこちら。

子供に多い便秘の原因とその対策

赤ちゃんの便秘の原因とその対策

 

高齢者特有の原因:加齢による体の変化

便をいきんで出すためには腹筋を使って腹圧をかけるのが不可欠です。
しかし、加齢で筋力が弱まると十分にいきむことができません。
また、腸のぜん動運動は年齢とともに活動が低下していきます。

 

そして、高齢者の方にありがちな便秘の原因のひとつは食事の量が少なくなること、もうひとつは日常生活の動きが減ることです。

高齢者に多いタイプの便秘とその原因、対策についてはこちら。

老人・高齢者の便秘の原因と対策

 

性別による原因:男女での違い

女性は男性よりも数倍以上便秘になりやすい傾向があります。
女性は男性よりも筋肉が少ないため腹圧がかかりにくい体質だからです。
特に、妊娠中や産褥期、そして出産後の女性は腹筋が伸びていて十分に力を出しづらいので便秘になりやすくなります。
妊娠中の方は強くいきむのが怖いというのもあるでしょう。
また、女性ホルモンの作用によっても便秘が起こりやすくなっています。

 

就職や退職がきっかけで体を動かす機会が減ること、食生活の乱れ、そしてストレスは男女共通の便秘の原因ですが、特に男性に当てはまることが多いので気を付けた方が良いでしょう。

女性・男性にそれぞれ起こりやすい便秘のタイプと、その原因・対策についてはこちら。

女性に多い便秘の原因とその対策

妊婦の便秘について、理由と対処法

男性に多い便秘の原因とその対策

 

 

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原因がはっきりしない場合・・・他の原因は?

便秘原因『その他』

それでも原因がはっきりしない。
もしかして・・・?という疑問点をまとめました。

 

季節は関係ある?

便秘は四季を問わず起こりますが、特に便秘になる方が多いのは冬です。
冬の寒さで体が冷えると消化器の働きが鈍りやすくなります。
また、冬は暖かい季節よりも水分を摂らないことが多いため、喉が渇いていなくても水分不足になりがちです。
他に、寒いと外出するのが嫌で家にこもりがちになり体を動かさなくなるのも原因のひとつです。

 

便秘になりやすい食べ物はある?

特定の食べ物や飲み物が原因となることはまずありません。
肉、炭水化物メインの食事、コーヒー、アルコールなど毎日そればかり摂るわけでないなら問題ありません。
ですが、偏った食事や食べ方を続けることは便秘の原因になります。
便秘に良いとされる食物繊維でさえ、食べ過ぎると消化不良を起こして便秘になることがあるのです。

 

便秘は遺伝する?

家族が便秘体質だと、もしかして遺伝と思われるかもしれません。
しかし、便秘にかかわる遺伝子はまだはっきりと解明されていません。
また、便秘の原因は遺伝子よりもむしろ環境によるものが大きいという説が主流です。
環境とは例えば食事内容や運動習慣です。
家族が便秘になりやすい食生活を送っていると、一緒に影響を受けてしまいます。

便秘のタイプや症状から原因が導き出されることも。原因がよくわからない場合はこちらもご参照ください。

症状別・便秘の原因と対処法

最新の分類は2種類!便秘の種類について

 

 

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まとめ:便秘の原因は人それぞれある

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食生活や運動不足に気を付けているにもかかわらず便秘になってしまう。
こういった悩みを抱える方は多くいらっしゃいます。
便秘の原因はその人の体質や生活習慣によって異なりこれだ!というものが残念ながらありません。
また、2つ以上の原因が見つかることもあります。
普段のご自身の過ごし方や体調と比べてチェックしてみてはいかがでしょうか。

 


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