【薬剤師解説】医療用の下剤『マグコロール』の効果、副作用について

医療用の下剤『マグコロール』の効果、副作用について

薬剤師の安永です!
本日は、腸管洗浄に用いるお薬である、「マグコロール」について、ご説明させて頂きます。

 

マグコロールは、「経口腸管洗浄薬」という分類のお薬で、大腸内視鏡検査(カメラで大腸を観察し、大腸がんや潰瘍性大腸炎などを調べる方法)や、大腸手術の前に腸の内容物を洗い流すために用いるお薬です。
便を出す効果は非常に高いお薬ですが、便秘の治療に用いるお薬ではないので、これらの特定の検査をしたことが無い方では、飲む機会はめったにないお薬です。
間違った使い方をしてしまうと思わぬ副作用が出てしまうお薬でもあるので、しっかりと解説させていただきますね!

 

ちなみに、塗り薬の基材として用いる「マクロゴール」というお薬もありますが、全く違うお薬なのでご注意ください。
薬剤師でもたまに混乱することがありますが、今回のお薬は『マグコロール』です。ご注意を。

 

 

 

成分・剤型

画像引用:堀井薬品工業株式会社

  • 商品名:マグコロール
  • 成分名:クエン酸マグネシウム
  • 剤型:液剤・・・13.6%(34g/250mL)、P散・・・68%(34g/50g/包)

 

マグコロールの成分は「クエン酸マグネシウム」です。
薬価は1瓶(250mL)当たり400.6円で、粉を溶かすタイプのP散では1g当たり7.8円となっています。
用法にもよりますが、液体では200〜500mLを、散剤では50〜100g程度を用いるので、400〜800円程度となります。
2018年3月現在、ジェネリック医薬品は発売されていません。

 

味については、スポーツドリンクのような味であり、比較的飲みやすいことが特徴です。
同系統のお薬として、PEG(ポリエチレングリコール)製剤であるニフレックやムーベンというお薬もありますが、こちらよりもマグコロールの方が患者さんから味の人気は高いようです。

 

 

▲目次にもどる

効能・効果

マグコロールは、腸管の内容物を軟化・増大させ、その刺激により便を押し出すお薬です。
高張液として用いる場合では、濃い液体を服用することによって、腸管内で体液と同じ濃さになるまで水分を引っ張り込んで、腸の内容物を増大させます。
等張液として用いる場合では、大量の液体を服用することによって、腸管内の内容物を増大させるのです。
これらが腸を刺激することで、腸の内容物を押し出して、腸管内を洗浄するのです。

 

 

▲目次にもどる

飲み方・効果時間など

飲み方

高張液として飲む場合と、等張液として飲む場合で使用方法が異なります。

  • 高張液としてのむ場合・・・1回27〜34g(クエン酸マグネシウムとして)を検査予定の10〜15時間前に服用してください。
  • 等張液としてのむ場合・・・68g(クエン酸マグネシウムとして)を水に溶解し全量を1,800mLとして、検査予定の4時間以上前に200mLずつ、1時間以上かけて服用してください。
    最大量は2,400mLまでとしてください。

ご高齢の方では、ゆっくりと飲むようにして下さい
目安としては、コップ1杯(200mL)を成人では10分、高齢者では15分かけてゆっくり服用するようにして下さい。
年齢や症状に応じて、適宜増減が可能です。

 

効果時間

等張液で服用した場合、服用開始から1時間ほどで、肛門からの排泄が始まります。
当初は腸管内の固形物や濁りを含んだ液体が排泄されますが、排泄が進むにつれて透明に近い液体へと変化していきます。
最終的には胆汁の成分を含んだ黄色い液体が排出されますが、この段階になると腸管の洗浄は完了しています。

 

 

▲目次にもどる

副作用

マグコロールでは、主な副作用として、発疹、蕁麻疹、かゆみ、お腹の張り、腹痛、悪心、嘔吐、めまい、ふらつき、不快感といった副作用が報告されています。
重大な副作用としては、腸管穿孔、腸閉塞、虚血性大腸炎、高マグネシウム血症といった副作用も報告されているので、腹痛や気持ち悪さを感じた場合には、医師の診察を受けるようにしてください。

 

 

▲目次にもどる

注意点

消化管に閉塞のある場合や重症の硬結便(カチカチの便)のある場合には、本剤は用いることが出来ません。
前日の便の状態などを考慮して、通常程度の排便があることを確認した上で服用するようにして下さい。
急性腹症、中毒性巨大結腸症といった症状をお持ちの方も服用できないので、疑いのある場合には専門家の判断を仰ぐようにしてください。

 

マグネシウムを主成分とするマグコロールでは、その他の腸管洗浄剤と異なり、腎障害をお持ちの方には使用が出来ません。
高マグネシウム血症を起こすこともあるので、服用してふらつきや気持ち悪さを感じた場合には、医師の診察を受けるようにして下さい。

 

マグコロールを高張液として服用する場合には、薬液が体内の水分を吸収することで、脱水症となる可能性があります。
水分を定期的に摂取するようにして下さい。

 

連用によって小腸の消化吸収を妨げるため、全身の栄養状態に影響を及ぼす可能性があります。
検査などの理由が無い場合には、本剤は使用しないようにして下さい。

 

 

▲目次にもどる

Q&A

腸管に直接注入することは出来ますか?

本剤は経口用に作られている薬剤であるので、腸管から浣腸のように用いることは出来ません。 

 

マグコロールP散は、水に溶かしたらすぐに飲まなくてはならないの?

水に溶かしてもすぐ飲まない場合であれば、冷蔵庫内に保管することで48時間は服用可能です。
48時間を超えてしまった場合には、破棄をするようにして下さい。

 

妊娠している人でも飲んでよいの?

マグコロールやマグコロールPを妊婦に投与することで、子宮収縮を誘発して、流産や早産の危険性があることがわかっています。
妊娠をしている方では、 本剤は使用しないようにして下さい。

 

 

▲目次にもどる

まとめ:手術前の腸管洗浄のための薬

マグコロールは腸管洗浄剤であり、大腸の検査や手術の際には服用しなくてはならないお薬となります。
腸の中身を洗い流すことができるので、その効果は下剤の中でもかなり強力なものであると言えます。
しかしながら、腸の内容物をすべてかき出してしまうため、腸内細菌叢という、腸内の環境が破壊されてしまう恐れがあるのです・・・。
せっかく長い時間をかけて育った善い菌たちもいなくなってしまうので、日常的に使うべきではないということがおわかりいただけるでしょうか?
便秘の治療薬であれば、他にも様々なご提案が出来るので、お困りのことがありましたら、お気軽に薬剤師までご相談ください!

便秘薬を上手に利用しつつ便秘体質を改善!『ハイブリッド便秘解消法』についてはこちら。

【薬剤師が教える】便秘薬の選び方とおすすめ

 


薬剤師たからの無料セミナー開催中!