【薬剤師が解説】酸化マグネシウム便秘薬について|効果や注意点などを詳細解説

酸化マグネシウム便秘薬について薬剤師が解説

酸化マグネシウム便秘薬解説

薬剤師植松

便秘薬の登竜門といっても過言ではない便秘薬、酸化マグネシウム。
酸化マグネシウムの製品は市販薬も医療用もたくさんあります。
正直、どう選べばいいかわからないし、何が違うかもわからないでしょう。
では、薬剤師であれば、たくさんある酸化マグネシウムの医薬品をどのように考えるのでしょうか?

 

 

酸化マグネシウム便秘薬と刺激性便秘薬を上手に組み合わせて、体質から便秘解消を!

【薬剤師が教える】便秘薬の選び方とおすすめ

 

 

古くからある便秘薬、酸化マグネシウム

歴史の古い便秘薬酸化マグネシウム

酸化マグネシウムは制酸剤・便秘薬としての歴史が古い

酸化マグネシウムの薬としての歴史は古く、そして歴史が古いがゆえに先発品が存在しません。
通常、先発品があって後発品(ジェネリック)があるというのが、薬の世界。
でも、酸化マグネシウムは古くからあるという理由で、先発品が存在しないんです。

 

臨床現場では便秘薬として主に使われる

酸化マグネシウムは臨床現場では主に便秘薬として使われます。
また、便秘薬として使う量よりも少ない量で制酸剤として使用することもあります。
ただ、制酸剤は酸化マグネシウムよりもメジャーな薬があるので、使用される頻度としては低くなっています。
私は薬剤師になって約10年ですが、酸化マグネシウムを制酸剤として使用する処方には出会ったことがありません。

 

 

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酸化マグネシウムはどんな効果や副作用があるの?

酸化マグネシウムは直接腸を刺激しない

酸化マグネシウムは、便秘薬として非常に使い勝手のいい薬です。
腸を直接刺激しないところは薬剤師からみても高ポイント。
腸を直接刺激してしまう便秘薬は、便秘薬がないと排便できなくなる習慣性や、腹痛などの副作用が問題となってきます。
一方、酸化マグネシウムは、毎日飲んだとしても習慣でクセになるといったことが生じません。
腹痛も個人差はあるものの、腸を刺激する便秘薬よりは出にくいんです。

 

酸化マグネシウムは頓服の便秘薬としても使える

酸化マグネシウムは、頓服薬として便秘のときだけ使うこともできます。
頓服は飲み続けず症状が出たときだけ服用する使用方法です。
ただ、頓服薬としては刺激性の便秘薬の方が優れています。
酸化マグネシウムは頓服の便秘薬としても使えますが、1週間程度続けて飲んで排便習慣を整える使い方に向いています。

 

酸化マグネシウムの副作用はあまり気にしない

酸化マグネシウムに限らず、薬を飲むときに副作用が気になる方は多いと思います。
ネットで調べるとたくさんの情報が出てきて余計に混乱してしまいますよね。
酸化マグネシウムも副作用はゼロではありません。
でも、非常に安全性が高い薬で、薬の説明書にある使い方を守った上で飲むのであれば副作用はあまり心配する必要がありません。
副作用よりも、量が合わずに軟便や下痢になるといった症状に気をつけましょう。

 

 

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酸化マグネシウムがよく使われるのは安全性の高さもポイント

酸化マグネシウム安全性高い

便秘薬は習慣性リスクに気をつけたい

刺激性の便秘薬は常に習慣性のリスクがつきまといます。
簡単にいえば腸を無理矢理に刺激して、便を押し出すのが刺激性の便秘薬。
毎日続けていると、刺激がないと便が出ないとか、刺激が足りず量を増やさないと便が出ないといったことが起こります。
市販の便秘薬には刺激性の成分が含まれている製品がたくさんあります。
習慣性のリスクを知らずに使い続けてしまうことは非常に恐いことなんです。

 

酸化マグネシウムは習慣性がない

刺激性の便秘薬と違い、酸化マグネシウムは習慣性がありません。
毎日飲み続けたとしても、人間が本来持つ排便しようとする力は失われません。
また、量を増やさないと便が出なくなるといった問題も起こりません。

 

 

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ネットでよくみる高マグネシウム血症を薬剤師がちゃんと教えます

高マグネシウム血症はそんなに頻繁か

酸化マグネシウムは安全性が高いということがわかっても、ネットで検索すると『高マグネシウム血症』のリスクなるものが出てきます。
しかし、高マグネシウム血症は頻繁に起こる副作用ではありません。
健常人が薬の説明書に書いてある使い方で飲んでいる限りは、起こらないと考えてもいいでしょう。

 

高マグネシウム血症に気をつけるべき高齢者

高マグネシウム血症は腎臓の機能低下に伴って起こります。

 

高マグネシウム血症のリスクが高いのは高齢者です。
年を重ねると人間の生理機能は低下します。
腎臓に病気がなくても、高齢者は腎臓の機能そのものが低下しているのです。
それゆえに、高齢者は便秘薬に限らず、薬を飲むときは副作用の発現に気をつけなければいけません。

 

薬を飲む上で高齢であることは、一つのリスクなんだということを覚えておきたいですね。

高齢者の便秘対策、注意点についてはこちらをご覧ください。

老人・高齢者の便秘の原因と対策

 

透析をするなら酸化マグネシウムは要注意

腎臓の機能が低下している人に高マグネシウム血症は起こりやすい。
つまり、透析が必要な人も注意が必要です。
透析が必要な人は高齢者よりも高マグネシウム血症が起こる可能性が高くなります。

 

このような副作用のリスクを防ぐためには、病院や薬局に行ったときに聞かれる問診票が大切です。
病院や薬局に行くと飲んでいる薬を聞かれますよね。
「酸化マグネシウムは安全な薬だから書かなくてもいいや!」となってしまいそうですが、飲んでいる薬はきちんと申告することが大切なんです。

 

 

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種類が多い市販薬の酸化マグネシウム!どう違いがあってどう選ぶ?

市販薬酸化マグネシウム選び方

3Aマグネシアにスラーラリアなど複数ある市販薬

市販薬の酸化マグネシウムは、かなりたくさんの種類があります。
『3Aマグネシア』、『スラーリア』、『酸化マグネシウムE便秘薬』、『イオナミン』などなど。
正直、どれを選べばいいのか薬剤師でなければ、私もわからなかったと思います。

 

有効成分は同じであることを押さえる

薬剤師となった今、数ある市販の酸化マグネシウムの中から、「薬剤師の目線で選んでください」と言われたら……
「どれも同じだから、近所で売っているものを選ぼう」と答えます。

 

「なんだよ!」という声が聞こえますが、これが本音。
添加物の違いはあれ、有効成分は酸化マグネシウムなので効果に違いはありません。
3Aマグネシアでも酸化マグネシウムE便秘薬でも……どれを選んだとしても大差はないんですね。

 

メーカーごとの違いはない!好みで選ぼう

酸化マグネシウムの市販薬の有効成分はどれも酸化マグネシウム。
違うのは添加物とメーカーと価格です。
メーカーごとの違いは特にないので、ドラッグストアで買う際は価格で選んでもOKです。

市販の酸化マグネシウム『3Aマグネシア』の外観と効果についてはこちら。

【薬剤師が解説】市販便秘薬『3Aマグネシア』の効果と注意点

 

 

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医療用の酸化マグネシウムも種類はたくさん!医療用は剤型がキモ

医療用酸化マグネシウム違い

医療用の定番はマグミット

医療用の酸化マグネシウムもかなりの種類があります。
医療用の酸化マグネシウムは基本的に薬局が選ぶため、それぞれの薬局でもらえる酸化マグネシウムは違うかもしれません。
よく流通している医療用の酸化マグネシウムの定番は、『マグミット』という錠剤です。

医療用酸化マグネシウム製剤『マグミット』の外観と効果、注意点についてはこちら。

【薬剤師解説】医療用便秘薬『マグミット錠』の便秘解消効果、副作用

 

カマとかカマグとか…酸化マグネシウムはニックネームが多い

酸化マグネシウムは別名が多いことを知っていますか?
マグミットや酸化マグネシウム細粒などたくさんの商品名があります。
でも商品名が何であれ、酸化マグネシウムの医薬品は「カマ」とか「カマグ」と呼ばれます。

 

「なんで?」と思いますよね。
酸化マグネシウムを全部カタカナにすると、「サンカマグネシウム」……

 

気付きましたね!
「カマグ」という言葉が隠れています。
単純にこの略称で呼ぶことが医療従事者の中では定番になっています。

 

酸化マグネシウム錠「◯◯」はメーカー違いで中身は同じ

数多い医療用の酸化マグネシウムですが、特に酸化マグネシウム錠「◯◯」という「◯◯」の部分にアルファベットやカタカナが入っている製品が複数あります。
酸化マグネシウム錠「ヨシダ」や酸化マグネシウム錠「TX」など。
これは単純にメーカーの略称が記載されているだけ。
中身は酸化マグネシウムで同じです。

 

錠剤がいいのか粉がいいのか 剤型は希望もできる

酸化マグネシウムは錠剤や粉、袋入りの分包品など剤型が豊富なので、自身の希望で選ぶこともできます。
例えば「子供を病院に連れていったら、錠剤が処方されたけど飲めないから飲ませるときに潰している」という方もいるでしょう。

 

このようなときはわざわざ自分で潰さなくても、薬局で粉がいい旨を伝えればOKです。
患者さんの状態に応じて錠剤にするか粉にするか調整するのも薬剤師の仕事。
遠慮なく薬局で甘えてみましょう。

 

 

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酸化マグネシウムと似たものに水酸化マグネシウムってあるけど正体は?

違いはマグネシウムの含有量

酸化マグネシウムとよく似たものに水酸化マグネシウムというものがあります。
水酸化マグネシウムも酸化マグネシウムもマグネシウムを含有している点は同じ。
違いはマグネシウムの含有量です。
マグネシウムの含有量が多い方が腸の水分を集める力が強く、便秘薬としての効果も強いです。

 

酸化マグネシウムの方が作用が強い

酸化マグネシウムは水酸化マグネシウムよりもマグネシウムの含有量が多く、より多くの水分を集めることができます。
そのため、便秘薬としての強さも酸化マグネシウムの方が水酸化マグネシウムよりも強いのです。

 

 

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酸化マグネシウムは市販薬でも医療用でも中身は同じ

薬剤師植松

酸化マグネシウムの便秘薬は市販薬でも医療用でも中身は同じです。
1日に飲んでいい量の上限も2gで同じなので、ちょっとした便秘であれば病院ではなくドラッグストアで購入したいものです。
便秘を感じたらまずは1週間ほど酸化マグネシウムの市販薬を試してみましょう。