【薬剤師が解説】辛い便秘の切り札、浣腸のおすすめ使用法とは?効果や副作用、注意点など徹底解説

薬剤師が教える浣腸のおすすめ使用法

薬剤師の安永です!
本日は、重度の便秘の際に使用する、“浣腸”について使用方法をご説明させていただきます。

 

浣腸は様々な便秘薬の中でも、便を出す効果は最強クラスのものとなります。
医師の処方箋によるものだけではなく、OTC医薬品としても販売されています。
他の科でおかかりの患者様からも、「浣腸のおすすめの使用法ってあるの?」と聞かれることは少なくはありません。
今回は、私がおすすめしている浣腸の使用方法について、ご紹介させていただきます。

 

また、浣腸は間違った使い方をすると腸を傷つけてしまったり、浣腸依存症になってしまうこともあります。
使用する際の注意点などについても、しっかりとご説明させていただきますね。

 

 

 

成分・剤型

浣腸薬の成分としては、多くの場合は「グリセリン」が用いられています。
グリセリンは滑りを良くする成分であり、医薬品だけではなく化粧品や、食品にも使用されています。
体内に吸収されない成分であるので、安全に使用することが出来るのです。

 

 

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効能・効果

浣腸は、肛門部から薬液を注入することで、腸の壁のすべりを良くして便を排出させます。
物理的な刺激によっても腸を活発にするので、頑固な便秘にも効くことが特徴です。

 

経口の便秘薬であれば、薬を飲んでから効果を発揮するためには、食道や胃、小腸を通らなくてはなりません。
大腸まで届くためにはどうしても時間がかかってしまうので、「便を今すぐに出したい!」という場合には、あまり向いていないでしょう。
しかし、浣腸であれば直腸や大腸に薬液を直接注入するので、3〜10分程度で効果を発揮するのです。
素早い効果が期待できるのが、浣腸の最大の特徴です。

 

 

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使い方・効果時間など

使い方

浣腸薬は、下記の用法に従って使用してください。

  1. 薬液を温める
    (浣腸薬のほとんどは密閉されているので、洗面器などに40〜50℃のお湯を張って、湯せんで温めてください。10分程度で温まると言われています。)
  2. 体温程度に温まったことを確認し、キャップをはずして傷が無いことを確かめる。
    (先端がささくれているなど、肛門や直腸を傷つけそうなものは、使用しないようにして下さい。ノズルを回すことで開栓するタイプのものもあります。)
  3. ストッパーがあるタイプの浣腸薬では、使用する方の年齢や体格に応じた長さにストッパーをセットする。
    (小児では3〜4cm、成人では5〜7cm程度を目安にしてください。)
  4. ノズルを肛門から挿入し、薬液をゆっくりと注入する。
    (ノズルがうまく挿入できない場合には、先端にワセリンや水などをつけると注入しやすい場合があります。)
  5. しばらくがまんしてから、排便をする。
    (便意をもよおしても、すぐに出さないことがポイントです。漏れてしまいそうな場合には、ティッシュなどで押さえることで楽にがまんをすることが出来ます。)

 

効果時間

浣腸薬は、速やかに効果が出ることが特徴です。
多くの場合は浣腸後、3〜10分ほどで排便に至ります。
しかし、3分を待たずに効果が出る場合や、10分を超えても効果が続く場合など、個人差もあるので注意が必要です

 

 

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副作用

副作用としてはお腹の痛み、お腹の張り、直腸部の違和感、熱感、残便感があります。
発疹や血圧変動などの副作用も報告されているので、便以外の症状にも注意をするようにしましょう。
赤ちゃんに使用する場合では、本人が違和感を訴えることができないので、表情やしぐさなどもしっかりとチェックするようにしてください。
これまでに浣腸を使用したことの無い方は、効果が強く出ることがあるので、十分に気を付けるようにしましょう。

 

 

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注意点

注入中に痛みがある場合や抵抗の大きい場合には、一度注入をやめて様子を見るようにして下さい。
便に血が混じっている場合や、腹痛が継続する場合には、医師の診察を受けるようにして下さい。

 

また、浣腸は連用しないようにして下さい。
連用をすると、腸が刺激に慣れてしまい、浣腸無しでは良い排便が出来なくなってしまうおそれがあります。
「浣腸を使う方が便が全て出るから楽!」という方もいらっしゃいますが、浣腸による排便は、あくまで緊急用のものと考えるようにしてください。
腸内フローラを整え、善い菌を育て、食生活や運動をコントロールすることで良い便を出すことが、便秘解消の正しい方法なのです。

 

浣腸の注入後は、予想よりも早く排便が起こることがあります。
トイレの近くで待機するなど、すぐに排便が出来る環境を作った上で、注入をするようにして下さい。

 

 

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Q&A

浣腸のメリットとデメリットは?

浣腸は、メリットとデメリットをしっかりと把握して使っていただきたいお薬の一つです。
メリットとしては、即効性があるのでつらい時にすぐ使える、時間の計算が容易なので排便コントロールがしやすい、赤ちゃんからお年寄りまで使える、非常に安価(OTCでもかなり安い!)といった点です。
デメリットとしては、大腸が刺激に慣れて浣腸無しでは排便がスムーズに行えなくなる、ノズルの注入時に直腸を傷つけてしまうおそれがある、使用に手間がかかるといった点です。

 

電子レンジで浣腸を温められるって聞いたけど?

電子レンジで温める方法は、メーカーとしては推奨はしていませんが、大きな病院の入院病棟などでも用いることがある方法です。
湯せんでは40〜50℃のお湯を用意する必要があり、さらに加熱に10分程度が必要となるので、電子レンジを用いると時間の短縮になります。
しかし、容器が密閉されているため爆発の恐れがあり、弁として金属を使用している場合などでは思わぬ高熱になってしまう場合もあります。
浣腸のレンジ加熱は病院で看護師が行う方法なので一般の方が行うのは避け、湯せんでゆっくりと温め使用してください。

 

妊娠や授乳をしていても使えるの?赤ちゃんや高齢者は?

妊娠をしている方では、早産・流産を引き起こす可能性があるので、主治医に相談をするようにして下さい。
授乳をしている方については、本剤の成分は血中や乳汁中に移行しないことがわかっているので、問題なく使用することが出来ます。
浣腸は0歳児から使用できますが、3ヶ月検診 (地域によっては4か月検診)を受診する前は、医師に浣腸を使用して良いかを相談したうえで、使用するようにしてください。

高齢者でも問題なく使用できますが、排便後に脱水症状を起こす可能性が高くなってしまうので、使用後も体調に気を付けるようにして下さい。

 

 

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代表的な製品

医療用医薬品

画像引用:日医工株式会社健栄製薬株式会社

  • グリセリン浣腸「オヲタ」
  • ケンエーG浣腸液50% など
    (10mL、30mL、40mL、50mL、60mL、90mL、110mL、120mL、150mLの剤型があり、年齢や体格に応じて選択が可能です。)

 

一般用医薬品(OTC医薬品)

画像引用:イチジク浣腸株式会社健栄製薬株式会社


画像引用:ムネ製薬株式会社

  • イチジク浣腸
  • イチジク浣腸ジャバラ
  • ケンエー浣腸
  • コトブキ浣腸パステル
  • スースカット浣腸 など
    (10〜40mLの製品が多く、医療用のように50mL以上の規格はほとんど販売されていません。)

 

医療用医薬品では、30mL1個で100円前後となりますが、OTCでは30mL1個で40円程度から売られています。
3割負担であれば医療用医薬品の方が安くなりますが、診察代や調剤料を考えれば、OTCの方が安価で購入することが出来るでしょう。

 

 

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まとめ:常用は避け、いざというときの切り札に

浣腸はひどい便秘の際や、どうしても便を出さなくてはならない場合には、切り札となる薬剤です。
価格も安く、使い方を間違えなければ安全な薬剤なので、頼りがちになる方もいらっしゃいます。
しかし、浣腸を連用することで、腸が浣腸の刺激に慣れてしまい、浣腸依存症になってしまうこともあるのです。
浣腸無しでも良い便を出せるように、普段から腸内環境を整えることを意識しなくてはなりません。
お薬やお腹の症状でお困りのことがありましたら、薬剤師までお気軽にご相談ください!

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