【薬剤師解説】医療用の整腸剤『ビオフェルミン』の効果や副作用について

医療用整腸剤ビオフェルミンの効果や副作用について

医療用ビオフェルミン解説

薬剤師斉藤

薬剤師の斉藤です。
ビオフェルミンという名前はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
ビオフェルミンは整腸剤であり、市販薬の新ビオフェルミンSと医療機関が取り扱う医療用医薬品のビオフェルミンがあります。
今回は後者の医療用医薬品のビオフェルミンについて解説します。
医療用医薬品のビオフェルミンは市販されておらず、病院や薬局で処方せんをもとに手渡される整腸剤です。

 

 

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医療用ビオフェルミンの種類と成分|名前の『R』の意味とは?

ビオフェルミン錠剤外観

画像引用:ビオフェルミン製薬株式会社

  • 商品名:ビオフェルミン錠剤
  • 成分名:ビフィズス菌
  • 剤型:錠剤(素錠)

ビオフェルミン配合散外観

画像引用:ビオフェルミン製薬株式会社

  • 商品名:ビオフェルミン配合散
  • 成分名:ラクトミン(乳酸菌)、糖化菌
  • 剤型:散剤

ビオフェルミンR錠外観ビオフェルミンR散包装画像

画像引用:ビオフェルミン製薬株式会社

  • 商品名:ビオフェルミンR錠、ビオフェルミンR散
  • 成分名:耐性乳酸菌
  • 剤型:錠剤(素錠)、散剤

ビオフェルミンと名前が付く製品は4つあります。
製品名は、ビオフェルミン錠剤、ビオフェルミン配合散、そしてビオフェルミンR錠とビオフェルミンR散の4つです。
後ろの2つはRとつくのがポイントです。
剤形は錠剤と粉薬があります。
そして、4つはビオフェルミンという同じ名前にもかかわらず意外にも配合成分が異なります。
以下の表に製品名と成分をまとめました。

 

 

医療用ビオフェルミンの剤形と成分
製品名剤形配合成分(菌)
ビオフェルミン錠剤錠剤ビフィズス菌
ビオフェルミン配合散粉薬ラクトミン(乳酸菌)+糖化菌
ビオフェルミンR錠剤耐性乳酸菌
ビオフェルミンR粉薬耐性乳酸菌

 

ビオフェルミン錠剤

ビオフェルミン錠剤の成分はビフィズス菌Bifidobacterium bifidumです。
1錠あたりビフィズス菌が12mg入っています。
生菌数は1錠あたり100万〜1億個です。
腸内へ定着しやすいビフィズス菌が選ばれています。

 

ビオフェルミン配合散

ビオフェルミン配合散にはラクトミンと糖化菌Bacillus subtilisが配合されています。
ラクトミンとは乳酸菌(フェーカリス菌)Streptococcus faecalisを加工した粉薬のことです。
腸の中で主に効果を発揮するのはラクトミンです。
そして、糖化菌はラクトミンの補助として配合されています。

 

ビオフェルミン配合散1gあたり、ラクトミン6mg、糖化菌4mgが含まれています。
生菌数は1gあたり2つの菌をあわせて300万〜1億個です。

 

ビオフェルミンR錠・R散

ビオフェルミンRのRは抗生物質に対する耐性(Registance)という意味です。
ビオフェルミンR錠・R散には、1錠および1gあたりに耐性乳酸菌Streptococcus faecalisが6mg配合されています。
生菌数は100万〜1億個です。
この乳酸菌はビオフェルミン配合散に含まれる乳酸菌と同じ種類ですが、抗生物質と一緒でも耐えて生き残るように改良されています。

 

 

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医療用ビオフェルミンの効果・効能|腸内細菌バランスを正常化

ビオフェルミン効果効能

ビオフェルミンの効能・効果は腸内菌叢の異常による諸症状の改善です。
腸内菌叢とは簡単にいうと悪玉菌や善玉菌をひっくるめた腸内細菌の集まりのことです。
これは、腸内フローラとも呼ばれているものです。
腸内には、普段は菌同士がバランスよく住み着いています。
しかし、何らかの原因で腸内細菌のバランスが崩れると下痢、便秘、お腹の張り、おならなどのトラブルが起こることが分かっています。

 

ビオフェルミンは、崩れた腸内細菌のバランスを正常化して下痢や便秘などのお腹の症状を改善する効果があります。
製品によって含まれる菌が違うため、お腹の中での効き方を製品別に解説します。

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ビオフェルミン錠剤

ビオフェルミン錠剤はビフィズス菌の生菌製剤です。
ビオフェルミン錠剤のビフィズス菌は腸に住み着き、悪玉菌や多くの病原菌が苦手とする乳酸や酢酸を作り出します。
また、腸にもともといるビフィズス菌や乳酸菌を助ける働きもあります。

 

ビオフェルミン配合散

ビオフェルミン配合散は、ラクトミンと糖化菌の2つが含まれています。
そのうちラクトミンに含まれる乳酸菌が整腸作用を発揮します。
乳酸菌は乳酸を作り、悪玉菌の増殖を抑えて善玉菌が多い腸内環境にみちびきます。

 

そして、糖化菌は乳酸菌が増えるのを助ける働きがあります。
糖化菌は腸内で炭水化物を糖分へ分解します。
この糖分が乳酸菌の栄養になるので、糖化菌のおかげで乳酸菌がより増えやすくなります。

 

ビオフェルミンR錠・R散

ビオフェルミンRは、抗生物質を服用してお腹の調子が悪いときの治療に特化した整腸剤です。
抗生物質は体に悪さをする細菌を退治しますが、その時に腸内の菌が善玉菌を含めて無差別にやられてしまいます。
すると、腸内細菌のバランスが崩れて下痢や腹痛などの症状を起こすことがあります。
そこで、抗生物質があっても生き残れるビオフェルミンRの乳酸菌が活躍します。
抗生物質に耐え抜いたビオフェルミンRの乳酸菌が腸内で真っ先に増えることで、悪玉菌を住み着きにくくします。

 

ただし、ビオフェルミンRと併用できる抗生物質の種類は限られています。

 

 

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飲み方・効果時間など|効くまでの時間に個人差

ビオフェルミン用法用量

ビオフェルミンの用法用量や効果時間について紹介します。

 

用法用量と味

ビオフェルミンは成人の場合、通常1日3回服用します。
薬の用量は下記のとおりです。
なお、薬の量や服用回数は症状に応じて変わることがあります。

 

医療用ビオフェルミンの服用量
製品名1回の服用量
ビオフェルミン錠剤1〜2錠
ビオフェルミン配合散1〜3g
ビオフェルミンR錠1錠
ビオフェルミンR散1g

 

また、子供の場合はたいてい量を減らしますが、症状や年齢によっては大人と同じ量が処方されることがあります。
他の薬と違い、大人と同じ量を服用しても副作用が出ることはまずありません。

 

味はほのかな甘みがあります。

 

効果時間

ビオフェルミンを服用してから効くまでの時間には個人差があります。
なぜなら、腸の中で菌が増えて腸内細菌のバランスが整うまでの速さがその人の腸の環境によって違うからです。
早い方では即日〜3日程度で効果が見られますが、数日から1週間程度かかる場合もあります。

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副作用情報

ビオフェルミン副作用情報

ビオフェルミンは今まで副作用が報告されていないことから、安全性の高い薬です。
また、常用量を多少超えて服用してしまっても副作用はほとんど起こらないと考えられています。
ただし、大量に服用しても大丈夫というわけではないので用法用量はきちんと守って服用してください。

 

 

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服用上の注意点

ビオフェルミン服用上注意点

ビオフェルミンは医薬品の中では珍しく副作用がない薬です。
長く飲み続けていても副作用が出やすくなるということはありません。
また、妊娠中や授乳中の方でも医師の許可があれば服用できます。

 

 

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医療用ビオフェルミンの気になるQ&A

医療用ビオフェルミンFAQ

ビオフェルミンを服用するにあたり、よくある質問について解説します。

 

牛乳アレルギーでも服用できる?

ごく一部の整腸剤は牛乳由来の成分を原料にしているので、牛乳アレルギーの方は服用できません。
しかし、ビオフェルミンについては牛乳由来の原料を使っていないため、牛乳アレルギーの方でも問題なく服用できます。

 

飲み合わせ、食べ合わせは?

ビオフェルミンと飲み合わせの悪い薬はありません。
また、食べ合わせの悪い飲み物や食べ物もありません。

 

食べられないときは薬が飲めない?

食後に服用するよう指示されることが多いビオフェルミンですが、体調が悪くて何も食べられないときはどうすればよいのでしょうか?どうしても食べられないときは、食事を摂るであろう時間に多めの水分と一緒に服用してください。
その時間に飲む薬がビオフェルミン1種類だけならば、食事代わりのスポーツドリンクやジュースと同じタイミングで飲んでもかまいません。
ただし、抗生物質や胃腸薬などの他の薬がある場合は飲み合わせが心配なので水で服用しましょう。

 

 

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他の医薬品との比較、ジェネリックの有無、薬価等について

他の医薬品比較情報

他に、ビオフェルミンのジェネリックの有無や他の整腸剤との比較について取りあげます。

 

ジェネリックはある?

ビオフェルミン配合散だけにジェネリックがあります。
ビオフェルミン配合散のジェネリックは、ラクトミン散「イセイ」、ビオヂアスミンF-2散です。

 

なお、ビオフェルミン錠剤、ビオフェルミンR錠・R散はこれ自体がジェネリック医薬品です。
ですので、これらのジェネリック医薬品はありません。

 

薬価について

薬価は、ビオフェルミン錠剤は1錠あたり5.6円、ビオフェルミン配合散は1gあたり6.2円、ビオフェルミンはR錠1錠あたり5.8円、ビオフェルミンR散は1gあたり6.2円です。

 

他の医療用整腸剤との比較

医療用整腸剤は他にも多くあります。
主な製品と含まれる菌を一覧表にしました。
医療用の整腸剤は、製薬会社の各社が工夫して整腸効果のある菌が配合されています。

 

他の医療用整腸剤の特徴
製品名(一部略)剤形有効成分の菌
ラックビー錠剤・粉ビフィズス菌
ビオスミンビフィズス菌+ラクトミン
ミヤBM錠剤・粉酪酸菌
ビオスリー錠剤・粉酪酸菌+ラクトミン+糖化菌
ラックビーR耐性乳酸菌
エンテロノン-R耐性乳酸菌
レベニン耐性乳酸菌

 

市販の新ビオフェルミンSとの違い

医療用のビオフェルミンと市販薬の新ビオフェルミンSは、有効成分である菌が異なります。
市販薬の新ビオフェルミンSには3種の乳酸菌が配合されています。
医療用医薬品のビオフェルミンは1種類もしくは2種類の菌でしたね。
ただ、整腸剤の効き方は個人差が大きいので、菌の種類が多いから必ず良く効くというわけではありません。
また、新ビオフェルミンSの乳酸菌は抗生物質に耐える力を持っていません。

 

市販の新ビオフェルミンSのメリットは医療機関を受診しなくても店頭やインターネット通販で買える点です。

市販の整腸剤『新ビオフェルミンS』についての解説はこちら

『新ビオフェルミンS』の便秘解消効果と副作用について

 

 

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まとめ:効き始めに時間がかかる薬

薬剤師斉藤

医療用医薬品のビオフェルミンは医療機関で処方される整腸剤です。
下痢にも便秘にも効果がありますが、効き始めるまでに時間がかかることがあります。
飲み始めてから効果を感じなくても、途中で服用は止めずに指定された日数分をしっかり続けましょう。

 

 


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