便秘にオリーブオイルは効果的?効き目のメカニズムやおすすめの摂り方を紹介

オリーブオイルの便秘解消効果について

便秘改善オリーブオイル摂り方

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オリーブオイルの健康効果については近年さまざまなメディアで取り上げられ、「美容や健康に良い」というイメージを持っている方も多いでしょう。
美肌やアンチエイジング、ダイエットなど、さまざまな面で効能が謳われているオリーブオイルの健康効果。

 

多岐に渡るオリーブオイルの効果のなかで、ここでは便秘解消効果についてピックアップしてみていきます。
オリーブオイルがなぜ便秘に効くのかのメカニズムや、効果的な摂り方などを詳しくご紹介していきたいと思います。
今便秘に悩んでいるという方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

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オリーブオイルの便秘への効果

オリーブオイル便秘解消効果

オリーブオイルは天然の下剤とも呼ばれ、地中海地方では古くからの便秘予防・解消の手段としてスプーン一杯のオリーブオイルを飲む習慣が伝わっています。
実際、腸のスペシャリストである医師で、治療の一環として地中海式の食事指導も行っている松生恒夫氏の著作によれば、「下剤依存症の便秘症患者に毎朝大さじ2杯のエクストラバージンオイルを2週間続けて飲んでもらったところ、64人の被験者のうち63人の症状が改善した」という報告もあります。

 

オレイン酸が便をツルンと排出

オリーブオイルが便秘に良いのは、オリーブオイルの主成分であるオレイン酸によるものと考えられています。
オレイン酸はオリーブオイルのおよそ7割を占めている油脂分(脂肪酸)で、動脈硬化をまねく悪玉コレステロールを減らすはたらきをもっています。
その他にも、油脂分としては比較的酸化しにくいという特徴があり、その健康効果に注目が集まっていることをご存知の方も多いでしょう。

 

では、オレイン酸の一体何が便秘にとって良いのでしょうか?
実はこのオレイン酸、胃腸で消化吸収されづらいという性質を持っており、これがお通じにとって有効にはたらくのです。
胃腸で消化されなかったオレイン酸は、そのままのかたちで大腸に到達します。
大腸に届いたオレイン酸は、腸壁を適度に刺激し、腸のぜん動運動を促します
腸の動きが活発化することで便の流れが良くなり、快便へと繋がる、というわけです。

 

オレイン酸の効果はそれだけにとどまりません。
腸に届いたオレイン酸は、潤滑油の役割を果たし、溜まった便がスムーズに流れる助けになります。
また、食べ物のカスに混じって腸に到達することで、便を柔らかくする効果もあるのです。
便秘症で腸内に長くとどまった便は、水分をどんどん失い硬くなってしまい、それが栓となってますます便秘が悪化する、という悪循環に陥ってしまいます。
オレイン酸のこれらのはたらきは、便秘の解消だけでなく、予防にも大きく寄与するというわけですね。

 

ビタミンEが血行を促進し腸の活動を助ける

また、便秘の原因のひとつに挙げられる血流の滞りに対して、オリーブオイルに含まれるビタミンEが効果を発揮します。
ビタミンEには強い抗酸化作用と毛細血管を広げる効果があり、血流を正常に保つことで、腸が活発にはたらく助けとなるのです。

 

 

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おすすめのオリーブオイルの摂り方

オリーブオイル摂り方おすすめ

摂る量、タイミングは?

オリーブオイルの便秘解消効果を十分に発揮させるためには、食事と一緒に摂るのが一番です。
食物と混ざった状態で腸に到達することで、適度な柔らかさをもち、つるりと排出しやすい便の形成が期待できます。

 

飲むタイミングについてですが、摂取する時間はさほど気にする必要はないでしょう。
というのも、口から摂取された食物が大腸に到達するのにはおよそ8時間かかるとされているからです。
下剤のような即効性が期待できるというわけではなく、基本的には翌日以降のスムーズな排便を期待して摂取する、という考え方になります。

 

摂る量については、先の松生医師の著作でも効果が報告されている1日大さじ2杯というのがひとつの目安になるでしょう。
とはいえ、オリーブオイルも油脂分のため、一時に大さじ2杯分を飲めばそれなりに胃腸に負担がかかります。
普段より胃のもたれなどが気になる方は、朝食時と夕食時の2回に分けて摂る、などの工夫をすることをおすすめします。

 

生のまま飲んだ方が良い?

便通の改善を期待してオリーブオイルを摂るという場合、炒め物や揚げ物などにオリーブオイルを使用して摂取しても良いでしょう。
生のまま、加熱したオリーブオイルのどちらでも、効果が期待できます

 

そのまま飲むならエクストラバージンオイルが良い?

日本で手軽に入手ができるオリーブオイルには大きく分けてエクストラバージンオイルとピュアオイルの2種類があります。
一般的にはエクストラバージンオイルは生食用、ピュアオイルは加熱用、という使い分けのされかたをされています。
ですが、ピュアオイルを生で摂ってはいけない、ということではありません

 

エクストラバージンオイルとピュアオイルの大きな違いは、その精製度です。
オリーブを絞ったままのいわばオリーブジュースであるエクストラバージンオイルは、精製度が低く、果実の風味がそのまま残った状態のオイルです。
この独特の風味は加熱することで失われてしまうため、「エクストラバージンオイルの風味を活かすなら生のままが良い」という意味で生食用とされているのです。
オリーブオイルのあの独特な辛味や苦味が苦手、という方は、より精製度が高いピュアオイルの方が飲みやすいかもしれませんね。

 

 

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オリーブオイルの注意点|摂り過ぎは肥満や心疾患のリスク

オリーブオイル摂り方注意点

オリーブオイルは大さじ一杯でおよそ110キロカロリーとなっています。
摂りすぎれば当然カロリー過多となりますので、摂取量には十分に気を遣いましょう。

 

農林水産省が発行している『脂質による健康影響』において、日本人の脂質の摂取基準が公表されていますが、オレイン酸が属する一価不飽和脂肪酸については、必須脂肪酸でもなく健康へのリスクが明確でない、という理由で、摂取の目標値も目安量も設定されていません。
ただし、多量の摂取による肥満や心疾患のリスクの可能性を示唆する報告もあるとして、過剰摂取には注意の必要性が示されています
また、オリーブオイルのおよそ7割は一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸ですが、およそ2割は飽和脂肪酸や多価脂肪酸などの油脂分で占められています。
これらは摂りすぎることで生活習慣病や肥満のリスクが高まるとされているため、「健康に良いから」といって大量に摂取するのは避けてください。

 

 

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まとめ:比較的早い効果が期待できる

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オリーブオイルの便秘解消効果についてご紹介しました。
オリーブオイルは、便や腸に直接作用して便通を改善します。
そのため、発酵食品や食物繊維、オリゴ糖などの腸内環境を改善する食材よりも早くに効果が期待できると言えるでしょう。

 

ひとつ注意していただきたいのは、オリーブオイルを飲むことで一時の便秘は解消されますが、便秘体質を改善する効果まではない、ということです。
摂りつづけている間は良くても、それ以外になにもしなければ、オリーブオイルを摂取する習慣を止めた途端に便秘に逆戻りしてしまうでしょう。

 

オリーブオイルを摂ることで今辛い便秘の解消が達成できたら、次は便秘体質そのものの改善を目指してみるのはいかがでしょうか?
便秘体質の改善のためには、発酵食品や食物繊維を摂ること、軽い運動や規則正しい生活をすることなど、腸をいたわる生活が重要です。
腸の流れの良いときこそ、便秘体質改善の絶好の機会になります
ぜひチャレンジしてみてください。

 

参考文献
  • 松生恒夫「「排便力」をつけて便秘を治す本」(ビタミン文庫,2012)
  • 田中明・蒲池桂子「あたらしい栄養事典」(日本文芸社,2016)

 


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