お茶は便秘に効く?お茶を飲む習慣と『便秘茶』の効果と注意点について

お茶を飲む習慣と『便秘茶』の効果と注意点

便秘解消お茶飲み習慣

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ドラッグストアの健康食品コーナーや通販などの棚を賑わしている『便秘茶』。
「毎朝スッキリ」や「快腸」といった言葉をかかげたこれらの商品を目にしたことがある人は多いでしょう。
「便秘がちで困ってはいるけど、下剤を使うのはちょっと...」と考える人にとって、『便秘に効くお茶』というのはなんとなく安心で魅力的に映ることと思います。

 

お茶というと、下剤などの医薬品と比べて安全で、健康的に便秘を解消できる、と思ってしまいがちです。
ですが、『便秘茶』は本当に安全な商品なのでしょうか?

 

この記事では、お茶を飲む習慣が便秘にもたらす影響と、便秘に効くという触れ込みの『便秘茶』がどのようなものなのかについてみていきます。

 

 

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「お茶を飲む習慣」は便秘改善に効果あり?

お茶飲み習慣効果

最初に、お茶を飲む習慣が便秘にどのような効果をもたらすかについてみていきましょう。

 

水分の補給:便秘の大敵、水分不足の解消

お茶を飲むことで一番便秘にとって良いと考えられる点は、水分が補給できるという点です。

 

水分不足は、便秘の原因としてとてもポピュラーなものです。
スムーズな排便に理想的な固さの便は、水分の占める割合がおよそ80%。
この水分含有量が少なくなると、便はカチカチコロコロになってしまい、腸での流れが悪くなったり、いきんでも排便しづらくなったりしてしまいます。

 

特に「冬場になると便秘になりがち」という方は、普段からの水分補給が十分でないという可能性が高いでしょう。
そういった方は、意識的にお茶を飲む習慣をつけることで、お通じの改善につながるかもしれません。

 

体を温める:腸の血流が促進され活発に

温かいお茶限定の効果になりますが、体が温まることで便通を促すという効果が期待できます。
実は冷えというのは便秘にとって大敵。
体の冷えによって末梢の血管が収縮すると、血液の流れが悪くなります。
すると、腸のはたらきが鈍ってしまい、それが便秘の原因につながってしまうのです。

 

温かいお茶を飲むと、体が内側から温まり、内臓の血流が促進されます。
血流が促されることで、腸の動きも活発化し、便通が改善されることが期待できる、というわけです。

 

リラックス効果:副交感神経優位な状態は内臓が活発に

温かいハーブティーなどを飲むことで、気持ちがほぐれてリラックスできた、という経験のある方は多いと思います。
このリラックスした状態を意識的につくることは、便秘を解消するのにとても有効です。

 

人間は緊張している、ストレスの影響下にあるなどの興奮状態では、交感神経が優位な状態になります。
この状態では、脳や手足などに血液が多く使われ、内臓の働きは落ちます。
交感神経が優位な状態が長く続くと、腸の働きが落ち、それが便秘につながってしまうのです。
ストレスは便秘の大敵、とされる理由はここにあります。

 

対して、リラックスした状態や睡眠中は副交感神経が優位な状態です。
この状態では、脳や手足に流れていた血液が内臓に集まり、胃腸が活発にはたらきます。
お茶を飲むことで、副交感神経優位なリラックス状態を意識的につくる機会を増やせば、便秘解消にも効果的となります。

 

 

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注意が必要なお茶の飲み方

お茶飲み習慣注意点

お茶を飲む習慣は便秘解消にメリットも多く、意識的に飲むことで健康的なお通じのサイクルを身に付けるのに役立ちます。
ですが、飲み方によってはかえって便秘を悪化させてしまう恐れもあります。
ここからは、便秘にとって良くないお茶の飲み方について触れていきたいと思います。

 

冷たいお茶は便秘解消に逆効果

アイスティーなどの冷たいお茶は、体を冷やし、腸の活動を鈍らせてしまいます
便秘解消のために飲む、という点で考えれば逆効果になってしまいますので、なるべくなら温かいお茶を飲むようにすると良いでしょう。

 

なお、「冷たいものは絶対に体に入れない」ということを徹底すると、逆に水分不足に陥ってしまう恐れがあります。
「自分で用意が出来るならば温かいお茶を飲む」くらいのつもりでいるのが良いかもしれませんね。

 

カフェインの入ったお茶は飲み過ぎ・摂る時間に注意

緑茶や紅茶、ウーロン茶などのカフェイン入りのお茶は、胃酸の分泌を促進する効果があり、少量を飲む分には便秘にとっても効果が期待できます。
ただし、摂りすぎると胃酸過多から胃潰瘍などのリスクが発生します。
胃腸のダメージは正常なお通じの妨げとなりますので、注意が必要です。

 

日本においてはカフェイン摂取量の目安は存在しませんが、欧米の関連機関では成人が1日に摂取する健康上問題ないカフェイン摂取量として、およそ400mgという数値を挙げています。

これは、コーヒーで言うとおよそカップ4〜5杯分、紅茶や緑茶でおよそ8〜9杯分相当です。
コーヒーや栄養ドリンクを愛飲している、という方ですと簡単に突破してしまう数値ですので、意識をしておいた方が良いでしょう。

 

また、カフェインの興奮作用は交感神経優位の状態をもたらします。
交感神経が優位になると腸は動きが弱くなるため、便秘の方はカフェインをできるだけ避けたほうがよいでしょう。
便秘外来の小林弘幸医師も、コーヒーは一日1〜2杯程度に抑え、ノンカフェインのお茶や白湯を推奨しています。

ノンカフェインのお茶で、お腹にもメリットあり!サラシア茶についての記事はこちら。

サラシア茶の効果と注意点|糖質吸収抑制効果が腸内環境改善につながる?

 

加えて、このカフェインの興奮作用は、睡眠直前に飲むことで睡眠の質の悪化を招く恐れがあります。
睡眠中は副交感神経が優位な状態で、腸をはじめとした内臓が活発に動く時間帯です。
睡眠の質が悪化すれば、腸のはたらきが悪くなり、そのまま便秘へと直結してしまいます。
就寝時間の8時間前以降はカフェイン入りのお茶を飲むのを避けるのが、便秘解消のためのお茶の飲み方としては望ましいでしょう。

 

さらに、カフェインにおいては、過剰摂取で中毒を起こし、最悪死亡するケースというのも存在します。
もっとも、お茶だけで中毒を起こす量のカフェインを摂取するのは難しいので、それほど気にする必要はありません。

 

 

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市販の『便秘に効くお茶』とはどのようなもの?

市販便秘茶実態

ドラッグストアの健康食品コーナーや通販サイトなどでは、いかにも便秘に効きそうな触れ込みで売られている、いわゆる『便秘茶』が数多く並んでいます。
お茶の持つ健康的なイメージから、つい安全なものとして安易に利用しがちですが、『便秘茶』の中には注意が必要な商品もあります

 

センナ茎、キャンドルブッシュ(ゴールデンキャンドル)などが原料のお茶

まずは、お茶として飲む場合に注意が必要となるセンナ茶(センナ茎茶)についてご紹介します。
健康食品コーナーなどに並んでいる、商品名や宣伝文句に『モリモリ』『スッキリ』『快腸』などといった言葉が使われているお茶の多くがこれにあたります。

 

センナ茶の原料である『センナ茎』は、センナの葉や実と比べ効果が弱いため『健康食品』の指定です
しかし、センナ茎には市販の下剤でも使用されている成分『センノシド』が含まれています。
センノシドは、大腸内で腸内細菌によって刺激物質に変化し、それが腸を刺激して排便を促す、という効果がある成分です。
非常に強い効果がある反面、続けて使うことで徐々に腸が刺激に慣れ、効果が薄くなっていく『耐性』がつく恐れがある他、下痢や腹痛などの副作用、依存症などのリスクがあります。

 

センナ茎茶などのセンノシドを含む原料が使用された商品は、リスクを把握した上で、便秘で困った時に下剤の代わりとして使う、というのであればいいかもしれません。
ですが、通常のお茶のように毎日の習慣としてセンナ茎茶を飲む、というような飲み方は絶対に避けたほうが良いでしょう。
流産の恐れや、母乳に下剤成分が溶け出す恐れがあるため、妊婦や授乳中の方の使用もおすすめできません。

 

センナ茎の他にも、キャンドルブッシュ、ゴールデンキャンドルといった原料にもセンノシドが含まれています。
便秘やダイエットにいかにも効果がありそうな触れ込みのブレンド茶商品には、これらのセンノシドを含む材料が使用されていることがあります。
購入の際には、原材料をよく確認するようにしましょう。

センナ茶などのセンノシドを含む原料を使用したお茶の注意点についてはこちら。

センナ茶の注意点|「お茶だから安全」は間違いです!

 

水溶性食物繊維配合の便秘茶

いわゆる『便秘茶』として売られているお茶のうち、センノシドが含まれるものに次いで多いのが、水溶性食物繊維が多く含まれているお茶です。
原材料欄に『難消化性デキストリン』『イヌリン』などが記載されているものや、ごぼう茶、モリンガ茶などがこれにあたります。

 

水溶性食物繊維は、海藻やこんにゃくなどのヌルヌルネバネバした食材に多く含まれている成分です。
水を含むとヌルヌルネバネバになる性質は、便の水分を保持して柔らかく保つのに役立ちます。
また、水溶性食物繊維は胃や腸で消化吸収されずに腸に届き、そこに棲む善玉菌のエサになるというはたらきも持っています。
腸内の善玉菌が増えれば、腸のぜん動運動が起きやすい環境を保つ他、便通の悪化などをまねく悪玉菌の繁殖を抑えてくれるなど、便秘解消にとって多くのメリットがあります。

 

水溶性食物繊維を多く含むタイプの便秘茶は、前述のセンノシドを含むお茶と異なり、毎日習慣的に飲むことで効果が期待できます
味や香りが気に入れば、腸内環境の改善効果に加えて水分補給やリラックス効果による相乗効果も期待できますので、習慣的に飲むのであればこちらのタイプの便秘茶がおすすめです。

水溶性食物繊維『イヌリン』を豊富に含むごぼう茶についてはこちら。

ごぼう茶の効果・効能|日本人に不足の栄養素を補える魔法のお茶!

 

一つ注意していただきたいのが、便秘茶として水溶性食物繊維を配合しているブレンド茶には、前述のセンノシドを含む原料が一緒に含まれているものも少なからず存在します。
また、カフェインを含む原料が入っている場合は、過剰に摂りすぎると便秘にとって逆効果になる場合があります。
購入する場合は、原材料を良く確認するようにしてください

 

 

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まとめ:お茶を飲む習慣は便秘にとって◎。ただし『便秘茶』には要注意!

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注意が必要な点というのはいくつかありますが、基本的にはお茶を飲む習慣が便秘にもたらす効果は良いものと考えても良いでしょう。

 

一方で、『便秘に効くお茶』という触れ込みの商品には注意が必要になります。
便秘茶は成分と効果、リスクをしっかり把握した上で使用する分には、『便秘茶』一定の効果は見込めます。
しかし、普段飲むお茶の代わりとして『便秘茶』を飲もうと考えている人は要注意
購入の際には、必ず原材料を確認するようにしましょう。

 

 

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