乳酸菌飲料の効果的な飲み方|便秘や下痢の改善にとどまらないメリットとは?

乳酸菌飲料の効果的な飲み方や注意点について

乳酸菌飲料便秘解消効果

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爽やかな甘酸っぱさで人気の飲み物、乳酸菌飲料
子供の頃、「大容量の乳酸菌飲料をグビグビ飲むのが夢だった」という方も居るでしょう。

 

ヤクルトをはじめとした乳酸菌飲料は、私達にとっては身近で当たり前のような存在です。
ですが、「子供の頃は飲んでいたけど、今は少しご無沙汰…」という方も多いのではないでしょうか。

 

近年は、腸内フローラや腸活といった言葉に代表される腸内環境への関心の高まりつつあります。
それに伴って、手軽に乳酸菌が摂取できる乳酸菌飲料への注目も上がってきています。
そこで、
「昔飲んでいたけど、また飲み始めてみようかな…」
という方や、
「飲んでいるけど、どんな効果があるのかよく知らない…」
という方に向けて、乳酸菌飲料の効果効能や効果的な飲み方、注意点についてまとめてみました。

 

 

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乳酸菌飲料について|2010年には国際規格化も!

乳酸菌飲料分類定義

最初に、乳酸菌飲料とはなにかについて軽く説明していきます。

 

乳酸菌飲料の定義は、「乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させたものを加工し、又は主要原料とした飲料(発酵乳を除く。)」です。
これは、厚生省(現・厚生労働省)が1951年に発行した『乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)』で定められているものです。
この基準を満たしたものの中で、殺菌処理の有無、無脂乳固形分の含有量でさらに細かく分類されます。

乳酸菌飲料の分類
  無脂肪固形分 乳酸菌数
(1mLあたり)
代表的な製品
乳製品乳酸菌飲料 3%以上 1,000万個以上 Newヤクルト
乳製品乳酸菌飲料
(殺菌)
3%以上 (規定適用外) カルピス
(希釈タイプ)
乳酸菌飲料 3%未満 100万個以上 ラブレ
(参考:発酵乳) 8%以上 1,000万個以上 明治ブルガリア
ヨーグルト

(※厚生労働省「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令における発酵乳の規格基準等の見直しについて 」を基に作成)

この分類は、商品の原材料などが記載されている『食品表示』の欄に記されています。

 

乳酸菌飲料は、長らく日本独自の分類としての位置付けにとどまっていました。
しかし、近年の腸内細菌研究の注目の高さをうけてか、2010年7月に国際食品規格委員会(コーデックス委員会)によって晴れて乳製品乳酸菌飲料の国際規格化がなされました。
これは、全世界的な腸内環境への関心の高まりを反映したものであるといえるでしょう。

 

 

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乳酸菌飲料の効果・効能は?

乳酸菌飲料効果効能

主に牛乳を発酵させてつくられている乳酸菌飲料は、飲料自体に豊富な『乳酸菌』が含まれることが大きな特徴です。
乳酸菌は、主に人間の小腸内に棲み着き、人間にとって良い働きをするいわゆる『善玉菌』として扱われます。
この善玉菌である乳酸菌を多く含んだ乳酸菌飲料を飲むことで、一体どのような効果が期待できるのでしょうか。

 

腸内環境が整うことによる便秘・下痢などの改善

乳酸菌飲料に含まれる乳酸菌は、生きたまま人間の腸内に届くことで、腸内に先に棲んでいる乳酸菌のエサとしてはたらくと考えられています。
エサを得て活発化した腸内乳酸菌は数を増やし、腸内における勢力を強め、より活発にはたらきます。

 

腸内の乳酸菌は、活動の過程で乳酸や酢酸などの酸性物質を生成し、腸管内を弱酸性に保ちます。
腸管内が弱酸性に保たれることで、酸により腸が適度に刺激され、腸のぜん動運動が促進されます。
また、弱酸性の腸管内では、腸の動きを悪くするなど人間の体にとって悪い振る舞いをする『悪玉菌』の繁殖が抑制されます。
乳酸菌飲料のサポートにより腸内乳酸菌が活発化することで、便秘や下痢などの便の乱れの大きな原因である腸の動きの悪さを改善し、便秘・下痢になりがちな体質を改善することが期待できる、というわけなのです。

 

乳酸菌飲料の便秘改善効果は、下剤などの便秘薬と異なり、飲んだ翌日に効く、といったような即効性を伴うものではありません。
その効果を実感できるのは、腸内細菌のライフサイクルから考えて、およそ2週間と言われています。
効果を十分に発揮するためには、ある程度の期間に渡って乳酸菌飲料を飲み続ける必要がある、というわけですね。

 

また、腸内に生きたまま届いた乳酸菌飲料の乳酸菌は、ほとんどが先住の菌のエサとして食べられてしまうか、あるいはそのまま便に混じって体外へ排出されてしまうと考えられています。
しかし、ごく一部が腸壁に定着し、腸内善玉菌として活動するということも考えられます。
乳酸菌にとって棲みやすい場所は既に他の菌で占められている場合がほとんどのため、実際に長期に渡って腸内に棲み続けられる菌の数は決して多くはありません。
ですが、これもやはり飲み続けることによって、善玉菌を腸内にとどめる機会を増やすことができるというわけです。

 

免疫系の正常化:免疫力の向上やアレルギー緩和が期待できる

腸内環境が整うことは、便秘や下痢などの改善のみに有効というわけではありません。

 

実は人間の腸というのは『免疫力を司る臓器』とも言われている器官で、人間の体じゅうの免疫細胞のおよそ7割が腸に集中しています。
乳酸菌を摂取することで腸内環境が整えば、腸のはたらきの低下で弱っていた免疫系も正常化し、風邪や食中毒などにかかりづらい体制が整えられると考えられます。
また、それだけにはとどまらず、免疫系の暴走によって引き起こされる花粉症やアトピーなどのアレルギー症状も、免疫系が正常に近づくことにより緩和が期待できます。

 

美容やダイエットへの影響

腸内環境が悪くなると、腸内の血流が悪くなり、その影響は便の不調を引き起こすだけでなく、全身の血行の悪化につながります。
血行が悪くなることで、肌に栄養が行かなくなることによる肌荒れやくすみが起きたり、あるいは末端の冷えやむくみなどの原因となったりします。
また、血流の悪化は体への栄養配分の偏りを引き起こし、栄養の局所的な偏りは脂肪の蓄積にもつながります。
腸内環境が整うことで腸の働きが良くなると、滞っていた血流が良くなり、栄養の偏りが改善され、代謝や肌のターンオーバーの促進も期待できます。

 

 

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おすすめの飲むタイミングは食後

乳酸菌飲料おすすめ飲み方

乳酸菌の健康効果を効率よく発揮させるために、乳酸菌飲料は食後に飲むことをおすすめします
乳酸菌の多くは胃酸に弱く、口から入ってもそのほとんどが胃で消化されてしまいます。
少しでも多くの乳酸菌を腸に届けるために、胃酸が食物で薄まっている食後に乳酸菌を摂ることが、効率よく乳酸菌を腸に届けるために都合が良いというわけです。

 

 

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乳酸菌飲料の選び方:食品表示欄を確認しよう

乳酸菌飲料おすすめ選び方

乳酸菌飲料の選ぶ際に、まず、商品の原材料などが書かれている『食品表示』欄を確認してみてください。
先にも少し述べましたが、乳酸菌飲料には厚生労働省が省令で定める定義があり、この基準を満たしている商品には名称(品名)欄に「乳製品乳酸菌飲料」ないし「乳酸菌飲料」と記されています
例えば、水で薄めてタイプのカルピスは『乳製品乳酸菌飲料(殺菌)』に分類されますが、水で割った状態で販売されているカルピスウォーターは乳酸菌飲料の基準を満たしておらず、『清涼飲料水』と記されています。
また、サントリーから発売されている『ビックル』や、カルピスブランドで販売されている『ぐんぐんグルト』など、一見乳酸菌飲料のように見える飲料でも、分類上は清涼飲料水扱いである場合もあります

 

数多く発売されている乳酸菌飲料を選ぶ上で一つの目安となるのが、特定保健用食品(トクホ)の表示でしょう。
特定保健用食品とは、食品に健康などに対する有用性について国の審査を受け、消費者庁に許可を得て表示が許される、いわば「お墨付き」の証です。
また、特定保健用食品に認定された商品には、一日あたりの摂取目安量や摂取方法、摂取上の注意事項などの表示が義務付けられているので、これから乳酸菌飲料を飲んでみようと思っている方も安心して試すことができます。
特定保健用食品に認定されていない商品が認定商品よりも効果が劣る、とは限らないのですが、一つの目安としては参考になるでしょう。

 

殺菌されたタイプは腸内環境改善効果がない?

乳製品乳酸菌飲料には分類上、仕上げに殺菌処理を行っているものとそうでないものの二種類が存在します。
殺菌されたタイプの商品には『乳製品乳酸菌飲料(殺菌)』という表示があり、通常のものと区別をすることができます。
殺菌されたタイプのものは、製品の定義において1mLあたりに含まれる(生きた)乳酸菌数の規定がありません。
つまり、生きた乳酸菌が全く含まれていない商品も存在するであろうということです。

 

では、殺菌されたタイプのものが腸内環境改善に効果がないかというと、必ずしもそうではありません
近年の研究によって、殺菌された乳酸菌(死菌)であっても、消化されずに腸に届けば腸内に棲む乳酸菌のエサとなり、その効果を発揮する、ということがわかりつつあります。

 

ただ、殺菌されたタイプのものであっても、胃酸によって乳酸菌の菌体が消化されてしまえば効果は期待薄と考えられます。
殺菌されたタイプの乳酸菌飲料であっても、生菌タイプの乳酸菌飲料と同様に、胃液の薄まっている食後の摂取がおすすめです。

 

 

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乳酸菌飲料が注意点:摂取のしすぎはカロリー過多の恐れ

乳酸菌飲料摂取注意点

腸内環境の改善を目的として、定期的に乳酸菌飲料を飲む上で一番注意していただきたいのが、乳酸菌飲料に含まれる糖分です。
乳酸菌を少しでも多く腸に届けようと思うと、ついつい量を飲んでしまいたくなるものです。
しかし、ご存知の通り、乳酸菌飲料はとても強い甘みを持つものが多く、しかもそのほとんどが砂糖の添加によるものです。
代表的な生菌タイプの乳製品乳酸菌飲料である『Newヤクルト』を例に挙げてみると、よくスーパーの店頭で見かけるタイプのもの1本65mlに含まれる糖質は11.5g。
これは、角砂糖換算で2〜3個分、カロリーにして約45kcalにもなります。
いくら乳酸菌飲料が体に良いからといって、過剰に摂りすぎればカロリー過多になりますし、生活習慣病の原因にもなりかねません。

 

先に少し触れましたが、トクホに認定されている乳酸菌飲料には、1日の摂取量目安の表示が義務付けられていますので、その量を守って飲むことをおすすめします。
また、カロリーを抑えた商品を扱っているシリーズの乳酸菌飲料もあります。
糖質を気にしている方やダイエット中の方はそういった商品を選ぶのも良いでしょう。

 

乳酸菌飲料が効かない?

乳酸菌飲料を飲んだけれども便秘や軟便が改善しなかった、という口コミが多く見られます。
これは、その多くが「乳酸菌飲料は即効性があって、すぐに便秘や下痢の改善効果がある」という誤解からきているように思います。

 

効果効能の項で少し触れましたが、腸内の細菌が入れ替わるのにはおよそ二週間かかると考えられており、乳酸菌の摂取をはじめとした腸内環境改善の対策は、少なくともその期間は継続して行うことではじめて十分な効果を発揮します。
下剤をはじめとした便秘薬のように、数日飲んだら劇的な効果があらわれる、という類の商品ではありませんので、腰を据えて取り組んでみてください。

 

乳酸菌には相性がある

また、一口に乳酸菌といっても乳酸菌には多くの種類があり、乳酸菌飲料に含まれる乳酸菌もメーカー毎、場合によっては同じメーカーでも商品によって、違う種類である場合がほとんどです。
同じように、人の腸内に棲む細菌の種類や分布も、「百人居れば百通りある」と言われるほど、一人ひとり異なります。

 

何が言いたいかというと、人によって乳酸菌の相性というものがあり、ある人が「劇的に効いた」と言っていた乳酸菌飲料を試してみたものの、自分にはほとんど効果がなかった、ということが普通にあり得るのです。
新しい乳酸菌飲料を試してみる際は、腸相が入れ替わる二週間を目安に試してみて、思ったような効果が見られないようでしたらすっぱり諦めて他の商品を試してみる、というのも良いでしょう。

 

乳酸菌飲料を飲むと便秘になる?

乳酸菌飲料を飲んだ人の口コミを見ていくと、「乳酸菌飲料を飲んだせいで便秘になった」というコメントを見かけます。
はたして、乳酸菌飲料が原因で便秘になるかというと、それは少し考えづらいように思います。

 

では、なぜ「便秘になってしまった」と感じてしまうのかというと、およそ二通りのパターンが考えられます。
一つが、「もともと下痢・軟便気味でトイレに行く回数が多かったのが改善し、適正な排便回数にまで減った」こと。
もう一つが、「他の疾病や体幹筋・肛門粘膜が弱っていることなどが原因で、普通の固さの便が排出しづらい」ことです。

 

前者のパターンですが、排便の頻度は年齢や性別、食事などの生活様式によって異なり、1日に1回排便があることが必ずしも正常とは限りません。
もとより、便秘には「何日出なければ便秘である」といった定義もありません。
仮に数日出なくても、お腹の張りや腹痛、残便感などの不快な症状がなければ、それほど神経質になる必要はありません。

 

心配なのは後者の、他に原因があるパターンです。
それまで軟便や下痢などの柔らかい便だから出せていたのが、適切な固さになったことで排出出来なくなってしまった、ということになります。
特に、便秘を伴う疾病には、大腸がんや腸閉塞などの命に関わるものも多くあります。
乳酸菌飲料を飲んだことで排便が困難になってしまった、という場合は、早めに医療機関を受診し、専門家の判断を仰ぐことをおすすめします。

 

 

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まとめ:気軽に始められる腸活の手段

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乳酸菌飲料の効果や注意点についてご紹介してきました。

 

腸内環境の改善を目的として乳酸菌などの善玉菌を含む食品を摂る場合、効果を十分に発揮するために一番大切なことは「継続して取り続けること」です。
その点から考えると、気軽に入手することが出来、摂るのも簡単な乳酸菌飲料は、まさに腸活にとって理想的な食品であるといえます。
「これから腸活を始めてみようと考えているけど、何から手を出したら良いかわからない…」という方は、手始めとして乳酸菌飲料から始めてみてはいかがでしょうか。

 

ただ、乳酸菌飲料だけ摂っていさえすれば腸活はすべてOK、というわけではない点は留意しておきましょう。
食品で言えば、善玉菌を含む食品を摂る際、一緒に善玉菌のエネルギー源となる食物繊維やオリゴ糖などを摂ることで効果が飛躍的に伸びることが期待できます。
また、リラックスタイムをつくることや良い睡眠をとることは腸を動かすのに効果的ですし、適度な運動は外側から腸を刺激して活動を促すのにもってこいです。
このような、数ある「腸にとって良いこと」を、まんべんなく、少しずつ、継続して積み重ねることこそが腸活であるといえます。

 

そういう意味でも、一つ一つの対策が手軽であることがいかに重要であるかということが理解できるのではないでしょうか。
手軽に始められる乳酸菌飲料習慣を、ぜひ試してみてください。

 

 

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